大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

印象深いフィジーの魚たち

今年7月、成田~フィジーの直行便が復活した。9年ぶりだそうだ。最初にフィジーへ行ったのは19年前の99年。「ピースボート」で寄港した際にスノーケリングをした。とてもおもしろかたので、翌年改めて訪れた。


英名バイカラーラビットフィッシュ

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当時は多くのサンゴやイソギンチャクが白化していた。それでも魅力的な魚がたくさんいたので、夢中で撮影した。その中で特に印象に残っている魚を取り上げてみよう。
これはアイゴの仲間で、フィジー固有種。必ずペアで行動している。








本場(?)のオウゴンニジギンポ
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フィジーは黄色い魚が多い。タヒチもそうなので、南太平洋特有なのだろう。オウゴンニジギンポも黄色で、斜めに目を通る黒帯もない。日本のオウゴンニジギンポとは別亜種だが、基準となる標本はフィジー産なのではないだろうか。そうなら「オウゴン」も納得!








バリエーション豊富なホンソメワケベラ

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ホンソメワケベラが日本のものと違ううえ、バリエーションもいくつか見られた。黄色い大きな斑紋があったり、黒の帯模様が薄かったり…他の海域では見られない体色・斑紋だ。どうしてこのようになったのだろうか。不思議でしかたがない。








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こうなると気になるのが擬態種のニセクロスギンポだ。一度しか出会わなかったが、体の後方に黄色が少し入っている。ニセクロスギンポもモデルがバリエーション豊富なので、どれに似せようか迷っているようだ。









ヘラルドコガネヤッコ
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ヘラルドコガネヤッコのペアがいた。しかし後ろ向きの個体の背ビレに黒い斑紋があった。出てきたところを撮ったのが白枠内。このタイプは98年にフィジー産の標本を基に、水中写真家・ルディー・クーターによって新種記載されたが、後にバリエーションであることがわかった。