大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

油壷マリンパーク閉館

三浦半島にある水族館・京急油壷マリンパークがきのう(9/30)閉館。53年の歴史に幕を閉じた。マリンパークには二三度行った覚えがあるが、かなり昔のことでもあり、他の水族館とごっちゃになってしまい、これといった印象は残っていない。ただ、マリンパークのスタッフと仕事をしたことは覚えている。

閉館となった京急油壷マリンパーク(日本経済新聞デジタル版より)

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1989年春、アウトドア雑誌『BE-PAL』(小学館)が磯遊びをテーマにした企画を立案。その撮影を依頼された。この取材のコーディネーターが油壷マリンパークの堤俊夫氏だった。当時は常務で、氏の研究フィールドでもある城ヶ島で撮影することに。事前の編集部での打ち合わせで、当日は潮だまりをのぞいたり、網で小魚をすくうイメージの撮影を行い、魚類などはアリネガ(持っている写真)で構成することになった。

BE-PAL』6月号の記事

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堤氏は、この磯には〇〇がいる。ここには〇〇が隠れている、と教えてくれるが、最初から生物を撮影する予定はなく、それ用のカメラも準備していなかった。そんなわけで堤氏には申し訳ないことをしまったと思っている。2日間の撮影を終え、帰りにマリンパークに寄っていろいろ見せていただいた。こうして伊豆で撮影してあった写真数点と、3ページのイラスト図鑑を併せて6ページの「磯辺の小魚と遊ぶ」が完成し、『BE-PAL19896月号に掲載された。

京急油壷マリンパークの閉館理由は、施設の老朽化に加え、新型コロナの影響で来場者数が大幅に減ったことも挙げられる。展示している動物たちは、他の水族館などに移譲する予定で、跡地は再開発を検討しているらしい。

「磯辺の小魚と遊ぶ」の一部。右下が堤俊夫氏

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