大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

写真集 ようやく完成!

昨年から制作中だった写真集が、やっとできた。紆余曲折があったので、感慨無量だ。今回の写真集は、ライフワークとして撮り続けてきた共生や擬態、併泳など別種同士のかかわり合いがテーマで、自ら企画して岩崎書店編集者・石川氏に相談。193月上旬のことだった。

完成した写真集『サンゴ礁の海 生きるための知恵くらべ』

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児童書の出版が多い岩崎書店にした理由は、石川氏がぼくの写真を一番多く見ている編集者だから。写真集は初らしいが、企画会議にはかってくれ、通ったのは194月下旬。装丁や構成などは、これで4冊目となるデザイナーの鈴木氏。この時点で諸々の都合上、20年初夏出版となった。じっくり作業を進め、写真の差し替えやページの入れ替えなどが何度もあり、そのたびカラーコピーがどんどん増え、エコじゃないと反省。

大量のカラーコピーや校正刷りの一部。資源ごみに出そう

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1912月、表紙写真とタイトルが決定。「サンゴ礁」と入ったので写真を再び差し替えたり、原稿を書き替えたりの連続。今回は自分の作品集なので、入稿から色校、印刷まで立ち会う予定。すべての作業を終えていざ入稿というときに、新型コロナの緊急事態宣言。やむなく3か月中断した。7月上旬に再開したものの、予期せぬトラブルが発生し、またも2か月中断。結局入稿したのは9月上旬だった。

印刷会社で入稿の打ち合わせ

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10日後に色校が出たが、希望の色ではないものもあり、再び印刷会社で色校戻しの立ち会い。といっても印刷については無知なので、詳しい編集者とデザイナーが注文をつけてくれる。それを印刷所のプリンティングディレクターやオペレーターがモニターを見ながら調整していく。仕事とはいえ、それぞれの専門家が一丸となって良いものを作ろうとする姿に、頭が下がる思いだった。

何度も印刷所で打ち合わせを行った

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10月上旬、いよいよ印刷開始ということで、印刷工場へ。丸々2日かかるとのこと。印刷は最終段階なので、立ち会っても意味がないと思っていたが、1枚ごと刷り出しがチェックでき、指示すればインクを調整して再度刷り直してくれる。とにかく納得できるまで努力を惜しまない。携わる方々はまさにプロフェッショナルだ。

今回、制作現場に立ち会い、多数の方々がそれぞれの立場で良いものにしようと懸命になっている姿に、感動すら覚えた。たった1冊の写真集が、たくさんの人たちの「仕事」になっていて、さらに全国の書店等に配送して販売され、大袈裟にいえば経済を動かしていることになる。微力ながら経済回復の一翼を担えればよいのだが…。

最終的にOKとなった刷り出し

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