沖縄の県魚は、タカサゴ科クマザサハナムロ属のタカサゴ。同属にタカサゴ、クマザサハナムロ、イッセンタカサゴ、ニセタカサゴの4種がおり、これらを沖縄では「グルクン」と呼んでいる。タカサゴの特徴は体側に黄色の細い縦帯が入っていて、尾ビレの先端に黒い斑紋があること。全長は約20cmで、琉球列島や西部太平洋に分布している。
タカサゴは群れてサンゴ礁を移動しているが、群れの写真を改めて見てみると、クマザサハナムロやササムロなどと混泳していることが多い。群れが大きな場合は大抵混じっている。この2種の尾ビレには黒っぽい帯が入っているので区別しやすい。
タカサゴの群れにクマザサハナムロが混じっている(座間味)
タカサゴにとてもよく似たニセタカサゴがいる。違いは、専門家しかわからないほどで、体側にある側線の位置。側線とは、音や流れなどを感知する器官で、体のほぼ中央にある細くて黒い線。この側線が黄色い帯と重ならないのがタカサゴとのこと。
一方、ニセタカサゴの側線は、黄色い帯と重なっているという。そこまで気にして見ることはないので、わからなかった。手持ちの写真を確認するとニセタカサゴは少ないので、生息数はそれほど多くないように思う。また、タカサゴと混じっていることがよくある。
ニセタカサゴ。側線が黄色い帯と重なっている(コモド)
タカサゴ科の魚は青っぽい体色だが、網で捕らえられたり死んだりすると赤くなる。また、寝ているときも赤くなって白っぽい斑紋が出る。昼間は群れで行動しているにもかかわらず、なぜか眠るときはバラバラなのも不思議だ。
タカサゴの寝姿(ラジャアンパット)