大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

松浦啓一氏の新刊

フグ目魚類の第一人者の松浦啓一氏の新刊が『したたかな魚たち』(KADOKAWA)。写真を数点お貸ししたので、出版社から送られてきた。


『したたかな魚たち』の表紙と裏表紙
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まだちょっとしか読んでいないが、魚類学や生態学についてわかりやすく書かれているので、すこぶる読みやすい。











ミステリーサークルも掲載
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ミステリーサークルやそれをつくるアマミホシゾラフグが新種だったこと。そしてそのフグが「世界の新種トップ10」に選ばれたことも当然書かれている。










シマウミヘビ(上)と爬虫類のウミヘビ
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さまざまな魚類の生態に関することも記されているので、参考になる。魚類のウミヘビのシマウミヘビは、爬虫類のアオマダラウミヘビに擬態しているのだとあった。これは知らなかった。アオマダラウミヘビに限らず、爬虫類のウミヘビは有毒なので、縞模様をしているだけで擬態は成立するだろう。








イシダイ
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「へぇ~そうだったのか!」と思うこともあった。ダイバーならイシダイの縞模様は横縞だとわかるが、一般的には縦縞だ。ではなぜ「横縞」なのかの理由を知る人は少ない。魚の尾柄部を持って下げたときに、横に見えれば横縞、縦ならば縦縞と何かで読んだ覚えがある。







タテジマヤッコ
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この本にはこうある。動物学では「縦」とは体の軸に沿った方向のことで、「横」とは体の軸に対して垂直となる方向のこと。体軸が地表に対して垂直になっているのは人間だけで、他のすべての動物の体軸は地表に対して平行。動物(魚)を基準にして見ると、イシダイは「横縞」、この写真のタテジマヤッコは「縦縞」でいいわけだ。根本的なことを知って納得したのだった。