大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

魚類の生態用語(その1)「モビング」

魚類の行動学は歴史が浅いため、陸上動物の行動用語を流用していることが多い。モビングはバードウオッチングからきている。弱い立場の鳥(魚)が共同で大型の捕食者などの外敵を威嚇し、追い払うことをモビングという。


オニダルオコゼが動き出した (奄美)                                                               

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オコゼ類が標的にされる場合が多い。砂に半分潜っていたオニダルマオコゼ(中央)が、動き出すと周囲の魚たちが気づく。











 追い出すタカサゴ                                                            

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さらにオニダルマオコゼが移動すると、タカサゴ類などが集まってきて威嚇する。23m進んでもこの状態。縄張りから出て行くまで続く。体当たりはしないものの、オニダルマオコゼにとっては煩わしいに違いない。








ヒメオニオコゼとヨスジフエダイ(慶良間)

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ヒメオニオコゼが砂から顔だけ出していた。ストロボ光に反応してモソモソと動き出すと、近くにいたヨスジフエダイが集まって来た。











さすがのオコゼも逃げるしかない
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ヒメオニオコゼは這って逃げるが、ヨスジフエダイは執拗に威嚇し、遠くへ逃げて行くまでモビングは続いた。











キンメモドキとハナミノカサゴ奄美
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モビングは、弱者が集団になって外敵を威嚇して追い払うこと。したがって、この写真のように小魚がミノカサゴを避けているのはモビングとは言わない。