2014-10-04 気になるニザダイの分布 日記 #練習用 ニザダイという魚がいる。タイと付いているが、タイ科ではない。ニザダイ科でハギの仲間。地味であまり人気がない。 群れで移動中のニザダイ(八丈島) 伊豆半島などの温帯域に多く生息し、伊豆諸島では大きな群れがよく見られる。サンノジと呼ばれることもある。尾柄部にトゲを囲むような黒い斑紋が三つ(四つの場合も)あるからだ。 引っ掻き傷のような模様を出して争う(三宅島) '84年に三宅島で潜っていたとき、ニザダイが縄張り争いをしていた。2尾がめまぐるしく体をぶつけるようにして争っていた。驚いたことに、体側に引っ掻いたような白い模様が出ている。珍しいので、慌ててニコノスを向けてシャッターを切った。 ニザダイの幼魚(沖縄本島) ニザダイは伊豆諸島周辺でよく見られる一方、かなり通っている慶良間諸島で見たことがなかったことから、沖縄には分布していないものと思っていた。ところが、'93年に沖縄本島の砂辺で潜っていたら、ニザダイの幼魚がいたのだ。 黒潮があるので、伊豆諸島から卵や稚魚が南下することは考えにくい。どういうことなのか気になっていた。 コバンザメをつけたニザダイ(伊江島) それから4年後、沖縄の伊江島でニザダイの成魚を見た。それもコバンザメと一緒の姿を。やはり沖縄にも分布しているのだろうか。 外洋の断崖周辺を活動域にするニザダイ(伊江島) さらに2年後、同じ伊江島でニザダイの群れに遭遇した。これで沖縄にも分布していることが確かになり、スッキリしたのだった。 沖縄であまり見られない理由としては、活動域がサンゴ礁ではなく、外洋の断崖周辺だからで、おそらく住み分けの結果なのだろう。