大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

カメラマン泣かせの魚を撮る(2)

臆病な魚には細心の注意を払い、駆け引きをして近寄るのだが、それでも撮れない場合が多い。しかし、難なく接近できて撮れてしまうこともごく稀にある。 
 
スミレヤッコ(奄美
イメージ 1スミレヤッコは断崖の壁やオーバーハングのような所に生息している。壁伝いに移動するのだが、気配を感じるとすぐに隠れてしまう。あるとき何を思ったのか、暗い所から出てきてレンズを覗き込んだ。
                      
 
 
 
 
 
 
ニシキオオメワラスボ(奄美
イメージ 4ニシキオオメワラスボは、ガレ場や転石帯の砂地に生息している。ホバリングしながら進んだり静止したりを繰り返す。接近すると一定の距離を維持しながら逃げるが、危険を察知すると海底の穴に一瞬で姿を消す。このときはなぜか姿を消さなかった。                         
 
 
 
 
 
 
アゴアマダイの仲間(奄美
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アゴアマダイの仲間、いわゆるジョーフィッシュは研究が遅れていて、和名が付いていないものも多い。この個体はカエルアマダイか、和名がないバリアブルジョーフィッシュに似ているが、確証がないのでアゴアマダイの仲間とする。通常は巣穴から顔を出す程度なのだが、このときは穴から飛び出した。
 
 
 
 
  
 
求愛するホタテツノハゼ(奄美
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ホタテツノハゼは接近すると巣穴に逃げ込むのが常だが、このときは2尾が何かに夢中だった。体色を変化させていたので、求愛だったのだろう。
幸運にも撮影できた臆病な魚8種を取り上げた。レンズの前でポーズを取ってくれたのは、水中撮影するとき魚や環境に優しく接するよう心掛けているので、海からの「恩返し」なのかもしれない。