大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ハシナガチョウチョウウオについて

ワヌケヤッコを取り上げたのだから、ハシナガチョウチョウウオも取り上げねばなるまい。なぜなら、まったく同じ経緯なので。ハシナガチョウチョウウオも先に挙げた東海大学出版会と山と渓谷社二つの図鑑に載っていて、石垣島が北限になっている。


ハシナガチョウチョウウオ(コモド諸島)                                              

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『日本沿岸魚類の生態』の著者の魚類学者・安田富士郎氏が石垣島で見た、ということを何かの本で読んだ覚えがある。確か'70年ごろだった。ダイバーの数は当時より圧倒的に多いにもかかわらず、沖縄でハシナガチョウチョウウオを見たという話は聞いたことがない。おそらく誤認だったのだろう。







GBRのハシナガチョウと分布域
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ハシナガチョウチョウウオの分布は、地図の赤い部分でワヌケヤッコとやや似ている。ただオーストラリアの東海岸まで分布している点が異なる。以前、グレートバリアリーフGBR)で潜ったとき、思いがけずに出会ったので驚いた覚えがある。全長は20cmに達する。








ポンポン島のハシナガチョウチョウウオ

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ハシナガチョウチョウウオはいつもペアで行動している。生息域はどちらかというと内湾で、やや濁ったところで多く見られる。だが、マレーシアのポンポン島では比較的きれいな水のところを行動していた。









マブール島のハシナガチョウチョウウオ
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ポンポン島と同じ海域のマブール島でもよく見られる。波静かで濁り具合もちょうどよくて、生息に適した環境なのだろう。











ラジャアンパットの成魚と若魚
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ハシナガチョウチョウウオの幼魚はなかなか見られない。ラジャアンパットで一度だけ小さな個体に出会った。体色・斑紋は成魚と同じなので写真ではわかりづらいが、体に比例して目玉模様が大きい。全長は8cmくらいだったので、若魚といったほうがいいのかもしれない。