大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

サンゴ VS イソギンチャク

海底に住む底生生物は、定着場所を巡って常に競争している。特に褐虫藻と共生しているサンゴやイソギンチャクは、太陽光が必要である。他の生物に光を遮られると、死を宣告されたも同然。


ミドリイシの仲間とセンジュイソギンチャク

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それを防ぐため、サンゴは隔膜糸やスイーパー触手といった「武器」を使って侵入者を撃退する。「武器」は成長が遅いサンゴほど強い。
サンゴが群生している中に、イソギンチャクがいる場合がある。なぜこのような状態になるのだろうか。








センジュイソギンチャク                                            

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サンゴが群生している中のイソギンチャクは、後から入って来たとは考えにくい。イソギンチャクを囲うようにサンゴが成長したのだろう。

これはホソエダアナサンゴモドキの中にすっぽり入ったセンジュイソギンチャク。








タマイタダキイソギンチャクとハマクマノミ
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イソギンチャクの中でもハマクマノミが共生するタマイタダキイソギンチャクは、岩の窪みに着底する傾向があるため、サンゴに囲まれてしまうことが多い。

これは成長が速いユビエダハマサンゴ。


 







「非武装地帯」ができたキクメイシの仲間
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キクメイシの仲間のところにアラビアハタゴイソギンチャクがついているのを撮影したことがある。イソギンチャクとサンゴの間は「非武装地帯」のようになっている。これもサンゴが後から進出してきたのだろう。しかし「非武装地帯」を見ると、イソギンチャクも侵入を防ぐ何らかの武器を使っているのかもしれない。







どうしてこんな形になったのか
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時には、サンゴとイソギンチャクの争いのおもしろい結末が見られることがある。一体どうしてこのような形になったのだろう。

これはイボコモンサンゴ?と思われ、タマイタダキイソギンチャクが乗っている状態になっていた。