大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

アケボノチョウについて

チョウチョウウオ科のアケボノチョウチョウウオは、千葉県以南の太平洋、インド洋、紅海に分布する。全長18cmに達するが、成魚が普通に見られるのはサンゴ礁域。



アケボノチョウチョウウオ(コモド)

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単独ないしはペアでいるが、時には10尾前後のグループで行動していることもある。












4cmの幼魚(奄美

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幼魚は伊豆半島などの本州沿岸に出現する。サンゴ礁域でも内湾の浅いところで見かけることもある。











近縁の両種。オレンジ色が分布域
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近縁種にスポットテイルバタフライフィッシュがいる。元々は同種だったと思われるが、別の海域に分布を広げ、長い年月の間に分化したのだろう。最初はそう思っていたが、アケボノチョウチョウウオの分布域と重なっているのだ。いったいどうして別種になったのか、不思議でしかたがない。








両種が共に行動する(コモド)

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したがって、海域によっては両種が一緒に泳いでいる姿が見られる。












夜の体色。白の斑紋が浮かび上がる(奄美
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昼間は数尾で行動していても、夜は単独で眠る。サンゴや岩の隙間で眠るのだが、体色がくすみ、黒くなった部分に白い斑紋が現れる。コントラストが強いため、夜でも薄ら見える。寝場所はすでに「満室」になっているという「信号」らしい。まだ明るいにもかかわらず、気の早いものは夜の体色に変わっていることもある。