ミナミギンポ
約4cmの幼魚
幼魚期は黒い体に青い帯がある。ホンソメワケベラの幼魚の色合いに似ていることから、擬態していると考えられている。幼魚も成魚も他の魚のヒレやウロコをかじるが、テンクロスジギンポほど頻度は高くない。
巣穴から顔を出す
巣穴に入るのは、休息以外にも危険を感じたときなどがある。正面から見ると、水色の模様が放射状になっておもしろい。
巣穴からメスを誘うオス(座間味、7月)
ふだんはオスもメスも同じ体色・斑紋だが、繁殖期はオスの青いラインが鮮やかなり、さらに背ビレも赤紫の婚姻色になる。
遊泳タイプのギンポの産卵行動は皆同じで、オスが求愛ダンスをしながらメスを巣穴に誘導する。巣穴は小さいため、オスと交代でメスが入って産卵し、また交代して受精させる。
求愛するオス(奄美、2月)
産卵行動は10数年前の7月に座間味で観察した。ところが、奄美で2月に観察したこともある。水温を比べると座間味が約29℃で、奄美が約21℃。この極端な時期(水温)の差は何を意味するのだろう。繁殖期は年間を通してなのだろうか。