大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ゴンズイの真実

ダイバーならゴンズイに出会ったことがあるだろう。毒トゲがあるので、有害生物としても有名だ。そんな誰でも知っているゴンズイの新種記載が10年前と聞いたら驚くに違いない。


整然として移動するゴンズイ奄美
イメージ 1
それまで日本でゴンズイ科は、ゴンズイ
Plotosus lineatus 1種と思われていたが、詳しく調べたら2種だったことが判明し、片方が未記載種(新種)だったのだ。
そして2008年にPlotosus  japonicusとして記載されたのだが、和名を従来どおりの「ゴンズイ」とし、既存種に「ミナミゴンズイ」と付けた。






エサを食べながら移動(柏島)                                             
イメージ 2
これがちょっと混乱する結果になっってしまった。それはともかく、両種の違いは外見ではわからないらしい。目安は分布と大きさで、ゴンズイは房総半島以南沖縄までで、最大20cm。一方ミナミゴンズイは沖縄以南の西部太平洋、インド洋に分布し,最大30cmになる。







密集して行動する(八丈)
イメージ 3
ゴンズイは密集した群れで行動する。特に幼魚や若魚のときはその傾向が強い。「集合フェロモン」を分泌するからのようだ。



 






ハナヒゲウツボの前を通る(柏島
イメージ 4
ゴンズイの体色は黄色っぽいタイプと黒っぽいタイプがある。2種に分かれたとき、それが決め手かと思ったが、違っていた。背ビレと胸ビレには毒トゲがあるため、天敵は少ないと考えられている。








イソカサゴをクリーニング(富戸)                                             
イメージ 5
ゴンズイはクリーニングすることが知られている。観察したことはあるが、さほど熱心ではない。海底のエサを食べながら進んでいたら魚がいて、よけるのが面倒なのでそのまま進んだ、という感じだ。まぁ、浮いているミギマキの体をつついている写真もあるので、熱心な群れも存在するのだろう。