大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

日本独特の海中景観

水中写真家デビット・デュビレの写真集『PACIFIC』(美術出版社刊)に、大瀬崎の写真も掲載されている。その中で異彩を放っているのが「ゴロタ石」と「ムチカラマツの群生」の写真で、ひと目で大瀬崎とわかる。


PACIFIC』表紙と大瀬崎の海中

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海外の写真集をいくら見ても、同じような海中景観は出てこない。もしかしたら日本、いや大瀬崎だけの風景なのかもしれない。












大瀬崎全景(8712月)
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大瀬崎は湾内と外海に面したダイビングポイントがある。湾内の波打ち際は細かな砂利。それに対して外海に面している波打ち際は、玉石(ゴロタ石)だ。エントリーやエグジットはちょっと大変だが、海外では見られない風景ともいえる。








大瀬のゴロタ石(8712月)
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冬は比較的水がきれいで、天気が良ければゴロタ石もきれいに見えるが、ビーチエントリーしなければ気づかない。通っていた当時、どのように撮ればいいのか試行錯誤していた。
デビット・デュビレが大瀬崎へ取材に来たのは89年なので、真似したわけでも感化されたわけでもない。








ムチカラマツとマトウダイ883月)
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ムチカラマツの群生が見られるのはやはりゴロタ石の海岸の沖で、「先端」と呼ばれるポイント。他の海域にもムチカラマツの群生はあるものの、ウミトサカやウミウチワなど他の生物も一緒になっている場合が多い。ムチカラマツの写真はたくさんあったはずだが、捨ててしまったようだ。








錦江湾のムチカラマツの群生(1011月)

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ムチカラマツの群生は確かに珍しいし、おそらく海外では見られない光景だろう。この光景が見られるのは大瀬崎だけかと思っていたが、錦江湾にもあった。