ホホスジタルミとマダラタルミ(コモド)
しかし日本では研究が遅れていて、80年代終りまでホホスジタルミは分布していないとされていた。したがって当時の図鑑には、マダラタルミのところにホホスジタルミの写真が掲載されているものもあった。日本に生息が確認されて和名が付けられたのは、90年代に入ってからだったように思う。。
約3cmの幼魚。小枠はマダラタルミ(座間味)
両種は成魚も似ているけれども、幼魚もそっくり。違いは、本種の腹ビレが長いことと、全長3~4cmまではヤギ類やイソバナ類、ウミシダなどのそばにいることが多いこと。マダラタルミの幼魚はサンゴなど海底の近くにいる。奄美や慶良間で本種の幼魚が見られるのは、初夏から秋が多い。
7~8cmの幼魚(奄美)
5~6cmになると背部に白班が現れる。また行動範囲が広がり、海底近くを泳いで移動することが多くなる。特徴の腹ビレは、全長10cmくらいまで長い。
全長30cmを超えるころから、幼魚期の白い斑紋を残しつつ茶色っぽい体色に変わってくる。和名の由来になった頬に細かな筋が出始めるのもこのころ。
カスミアジとホホスジタルミ(コモド)
約50cmになると白っぽい斑紋は消える場合が多く、頬の筋も薄くなる。日本で成魚が見られることは少ない。やはり熱帯域の魚なのだろう。