大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ソープフィッシュといわれる魚

「ソープフィッシュ」と呼ばれる魚がいる。ハタ科のルリハタ、ヌノサラシアゴハタ、キハッソクの4種。「ソープフィッシュ」といわれるワケは、刺激を受けると皮膚から粘液を分泌して泡立つからだ。


ルリハタ(式根島

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粘液は皮膚毒で、泡立った海水に他の魚を入れると死んでしまうという。しかし、海では拡散してしまうので、水槽での観察結果だと思う。

ルリハタは伊豆半島や伊豆諸島のやや深いところに生息する。









ヌノサラシ宇和海)                                            

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ヌノサラシは南日本以南の岩礁サンゴ礁域に生息。岩陰など暗いところで見かけることが多い。成魚では体側の線は点線状になるらしいが、そのような個体は見たことがない。










アゴハタ(座間味)

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アゴハタは、その名のとおりアゴにヒゲ状の皮弁がある。わりあい分布は広く、サンゴ礁域の岩場に生息する。











キハッソク(ラジャアンパット)                                              

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キハッソクは、木(薪)を8束燃やさなければならないほど煮えにくい、というのが和名の由来。そんなに苦労して煮ても、美味しくないらしい。
4種の中では最も分布は広く、オーストラリアやタイ、インドネシアのラジャンパットでもよく見られる。






キハッソクとワモンダコ(水納島

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キハッソクは他の3種にはない行動をとることがある。タコを見ると異常に興奮し、体をこすりつけるのだ。何度も観察していて、体表の粘液をタコにつけると思っていた。だが、そうする意味が見つからない。もしかしたらタコの粘液を自分につけることで、特殊な効果が得られるのかもしれない。