10日ほど前、和歌山県田辺湾のサンゴが壊滅状態というニュースが流れた。付近は吉野熊野国立公園に編入された関係で、昨年12月より環境省が地元ダイバーの協力を得てモニタリング調査を行い、ほとんどのサンゴが死滅していることが判明した。
そういえば思い当たるフシがあった。7年前の4月奄美大島に行ったとき、白化しているサンゴが多く見られたのだ。この年は2か月前の2月にも奄美で潜っていて、水温は約20℃。そして4月は約21℃。2月は白化していなかったので、2月から3月にかけての水温低下が影響したのだろう。
サンゴは種類や生息場所によって白化する水温の境目が異なる。低水温が原因の場合、奄美では約18℃の日が続くと白化するが、和歌山では約13℃まで下がらないと白化しない。おそらく生息場所によって耐性に差があるのだろう。
高水温による白化の場合もそうで、熱帯海域では30℃の水温が続いても白化には至らないが、奄美や沖縄本島などでは、同水温では白化が進むようだ。
回りはアナサンゴモドキ(座間味)
白化の状態が続くとサンゴは死滅し、そこに藻類が生えるようになる。そしてサンゴの骨格である石灰質はもろくなり、しばらくするとガレキになってしまう。
'16年10月座間味に行ったとき、イソギンチャクやアナサンゴモドキが白化していた。夏の水温が高かったからだ。刺胞毒があるアナサンゴモドキにも弱点があることを知った。