大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

新しい魚類図鑑

先日図艦が届いた。小学館の『日本魚類館』(編・監修 中坊徹次)で、ミステリーサークルの写真を貸していたので送ってきたのだ。


新刊の『日本魚類館』                                            

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図鑑の写真は大部分が標本写真で、海水魚だけでなく淡水魚も収録されているため、500ページを超える厚さ。魚種によっては、特徴ある部分をクローズアップ写真で紹介している。これが帯にある「さかなの目」のこと。










PR用のチラシ

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もう一つの「そらの目」は、日本の魚を世界的な視野から捉え、分布や分類を解説する、というもの。

執筆は最前線の魚類学者47名が担当し、最先端の知識が掲載されている。オビテンスモドキはサンゴ片を運んで寝床をつくり、その下に潜ると書かれていて、やっぱりそうだったかと長年の疑問が晴れた。

気になるところもあった。ギンガメアジの和名の由来だが、銀河のように群れるメアジ、ということを書物で読んだ覚えがあるが、この図鑑では、銀色のがめついアジ「ガメアジ」の意味と書かれていた。信じられない。










マサバのページ

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また、マサバとタイセイヨウサバは同種とされていたが、最近別種であることがわかった、とある。タイセイヨウサバはノルウェ―サバとも呼ばれ、背中の縞模様が太くハッキリしているのが特徴で、スーパーで売られている切身はほとんどこれに当たる。








ブリとヒラマサの相違点が詳しく記述
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最先端の知見というわりには、誤りもある。アマミホシゾラフグがつくるミステリーサークルが、完成まで2週間かかると書かれていた。本当は5日間ぐらいなのだが。

もう一つは、ホンソメワケベラのところでニセクロスギンポは本種に酷似するが、理由はよくわかっていない、とある。今さら何なの?という思いだ。