通常色のイトヒキベラ(大瀬崎)
イトヒキベラは通常それほど魅力的な魚ではない。海底や周囲の岩、海藻などに溶け込んでしまうほど地味な魚といえる。
婚姻色のオス(伊豆大島)
ところが、繁殖期になるとオスは驚くほどきれいな体色に変貌する。繁殖期は初夏から晩夏だが、その年の水温などでずれることもある。
メスの前でディスプレイするオス(伊豆大島)
婚姻色はめまぐるしく変わる。しかし最もよく目にするのはメタリックカラーになること。青白く輝きながら勢いよく泳ぐ姿は、カメラを向けずにはいられない。
婚姻色のオスが集まっていた(柏島)
最初に柏島を訪れたとき、イトヒキベラのオスが婚姻色になって集まっているところを見た。なぜこのような状態になるのか不思議でしかたなかった。1991年7月のことだ。このような状態を見たのは、このときが最初で最後だった。