キホシスズメダイの大群(座間味)
通常、このようなケースは、外国産との違いがわかってどちらかが新種になる場合が多いが、キホシスズメダイは高知産の標本を基に1960年に新種記載され、学名はChromis flavomaculata Kamohara 、標準和名はキホシスズメダイと付けられた。命名者も日本人なので、改めて新種とはちょっとヘン。
カイメンに入るキホシスズメダイ(八丈)
しかしこのことで、C.flavomaculataという学名の魚は存在しなくなった。だが、キホシスズメダイという魚は確かに存在しているので、今回学名がなくなってしまった「キホシスズメダイ」に新たな学名Chromis yamakawaiを付けたのだ。
調べてみたらどうも命名者の蒲原氏が既存種のスズメダイC.notataを誤って新種記載したようなのだ。60年近く前なので今より情報量が少なくて、調べるのが大変だったのだろう。不思議なのは、それがわからないまま最近まで続いていたことと、キホシスズメダイがいつのまに入れ替わったのかだ。
キホシスズメダイの群れ(座間味)
キホシスズメダイの大きな特徴は、尾ビレが黄色っぽいことと、胸ビレつけ根にある黒斑だが、体色をよく変えるので標本になったら違いがわからないのかもしれない。