大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

カシワハナダイの体色変化

ハタ科ナガハナダイ属のカシワハナダイ。とてもきれいなので、出会うと必ずレンズを向ける。オスは体色をよく変えることでも知られている。


カシワハナダイのオス。通常の体色                                           

イメージ 1

特に求愛などのときの婚姻色はいくつかのパターンがあるようだ。












淡いピンクなってアピール
イメージ 2

カシワハナダイは砂地にある根に生息している場合が多い。1尾のオスが複数のメスを支配するハレムを形成している。オスの存在が薄くなると、メスの中から優位なものがオスに性転換する。そうならないようにオスは、体色を淡いピンクに変えて中層を活発に泳ぎ回り、メスに対してアピールする。







黄色味が入って美しい
イメージ 3

淡いピンクになるのは婚姻色だが、同じピンクでも微妙に違う場合もある。尻ビレや背中のあたりに黄色味が現れることもあるのだ。











じっとして赤くなるオス                                              

イメージ 4

活発に泳ぎ回ってることが多いオスだが、時折サンゴの上や岩の隙間でじっとしていることがある。理由はわからないが、クリーニングされたいという気持ちがあるのかもしれない。じっとしているときは、大抵真っ赤になっている。









産卵直前の婚姻色
イメージ 5

婚姻色は淡いピンクになるパターンのほかに、背中の辺りに白い帯がくっきり現れるパターンもある。産卵直前のときだ。産卵は夕方で暗くなるため、メスにわかりやすいようにコントラストを強めるのだろう(白帯が最もはっきり現れれている写真を選んだが、ちょっとピンボケ)。