大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

稀種スミツキソメワケベラ

海外では普通種でも、日本では極端に少ない魚もいる。スミツキソメワケベラもそんな魚だ。『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)での分布は小笠原諸島、西部太平洋になっている。


スミツキソメワケベラ・コモド諸島
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インドネシア、マレーシア、ミクロネシアパプアニューギニアグレートバリアリーフなどでは普通に見られる。ホンソメワケベラによく似ているが、胸ビレの付け根に黒斑があるのが特徴で、和名の由来にもなっている。小笠原でも少ないに違いない。








ミツボシクロスズメをクリーニング・座間味                                           

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'92年に座間味島で発見し、撮影した。でも最初はサンゴの隙間からあまり出なかった。ソメワケベラやホンソメワケベラ、ルリホシスズメダイなどに追い払われるからのようだ。ここで撮影した写真が山と渓谷社の『日本の海水魚』に掲載された関係で、慶良間が分布に加わった。







アカハナをクリーニング・座間味
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2か月後に訪れたら行動範囲は広がり、ミツボシクロスズメダイやアカハナをクリーニングしていた。ライバル魚から追い払われることはあっても、めげずに逞しくなっていた。しかし、最初の発見から約5ヶ月後には姿が見えなくなった。








赤みが強い個体・奄美
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奄美には'9711月に出現した。座間味で見たものより赤みが強くきれいだった。












トサヤッコをクリーニング・奄美                                           

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2日後、同じポイントにもう1個体いた。最初見たところから50mくらい離れている場所で、念のため確認したらやはり別の個体だった。しばらく観察していたら、トサヤッコをクリーニングした。小笠原からかなり離れている奄美にどうして出現したのか、不思議ではあるが、次に訪れたときには姿を消していた。