大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

チョウチョウウオも性転換!

釣りの雑誌『Fishing Cafe』の最新号が届いた。以前ロウニンアジ特集の際に写真を貸して以来、毎号送っていただいている。一番の楽しみは、東海大学海洋科学博物館元館長・鈴木克美氏の連載「魚の不思議な生態学」だ。


表紙と鈴木氏の記事

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今号のタイトルは「見果てぬ夢はチョウチョウウオの夢」。水族館勤務時代にチョウチョウウオ類の繁殖がかなわなかったことが書かれている。










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驚いたのは最後のほうだ。「ずっとあとでわかったことだが、チョウチョウウオたちは、なんと、雌雄同体の魚だった…」。つまり、生殖腺には卵巣部と精巣部の両方があり、メスからオスに性転換するというのだ。









ユウゼンのペア
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2007年までに調べたチョウチョウウオ16種のうち、14種が雌雄同体だったらしい。キンチャクダイ科はそのようなことが知られていたが、チョウチョウウオ科もそうとは驚きだ。種名が書かれていたのはユウゼンだけなので、残りの13種はわからない。








シラコダイは水族館で何度も産卵している
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それにしてもチョウチョウウオ類はペアでいることが多く、大きさも体色・斑紋も同じ。そのような魚が性転換する意味があるのだろうか。鈴木氏もその答えが出ないうちに研究生活は時間切れで、見果てぬ夢に終わってしまった、と結んでいる。