大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

あるイソバナの話

奄美大島で初めて潜ったのは25年前。それまで通っていた慶良間とは魚類相が若干違っていることや、トサヤッコとヤイトヤッコが簡単に見られるので驚いた覚えがある。


見事なイソバナ('92.4

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あるポイントに大きなイソバナ(大型のものはリュウキュウイソバナかオオイソバナだが、見分けが難しいのでイソバナとする)があり、フィッシュアイレンズで撮影した。そのときのログブックにはポイント名「黒崎」と記してあった。








形が異なるイソバナ('07.9
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その後、奄美でダイビングのイベントが始まり、年3回通うことに。だが、あのイソバナがあるポイントは潮が速いことが多い。また黒崎には東と西があり、潮止まりで潜れたとしても西が多く、あのイソバナはない。東の同じ場所とおぼしきところに行ったのは、10年後のことだった。しかしイソバナは形が違っていて、小さい。だからそのときは撮っていない。





新たに生育した(?)イソバナ('09.6
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場所が違うのだと半ばあきらめていたが、撮影したイソバナはもしかしたら釣り船などのアンカーで折られてしまい、新たに成長したのではないかと思えた。下のほうに死滅した太い幹が残っていたからだ。









太い幹が1本なくなった('11.4
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それからはそのポイントに潜る度に撮影した。次第に大きくなっていったが、'112月に見たときには2本あった太い幹が1本なくなっていた。










この先どうなるのだろう('14.4
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イソバナは潮の流れに対しては強いが、フィンで蹴られたり、アンカーロープなどに引っかかると簡単に折れてしまう。

長年同じイソバナを観察・撮影してみて、もろさと逞しさの両方持ち合わせている生きものだと思った。