大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

イソギンチャクに引かれるワケ

イソギンチャクには毒がある。クマノミ類やミツボシクロスズメダイは免疫があるので平気だが、他の魚は有毒であることを知っているのでめったに近寄らない。


ジュズダマイソギンチャクとヨメヒメジ                                           

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ところが、中にはイソギンチャクのすぐそばでじっとしている魚を見つけることがある。どうしてわざわざ危険な場所に来るのだろうか。











ジュズダマイソギンチャクとナガサキスズメ
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多くのイソギンチャクにはとても小さなカクレエビの仲間が住んでいる。そのカクレエビ類は魚の体を掃除(クリーニングという)するので、クリーニングが目的でやって来るのだ。このようなカクレエビ類をクリーナーシュリンプ(クリーナー)という。








ヒメハナギンチャクとハリセンボン                                             

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このヒメハナギンチャクにはオドリカクレエビが住んでいて、時折ハリセンボンが訪れる。しばらくするとオドリカクレエビが飛び移って、クリーニングを始めた。このときはヒメハナギンチャクの触手は引っ込んでいた。









センジュイソギンチャクとノコギリハギ                                          

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カクレクマノミが住むセンジュイソギンチャクにもカクレエビ類が住んでいることが多い。このときはノコギリハギが訪れていた。カクレエビは小さくて透明なのでわかりにくいが、尾柄部近くでクリーニングしている。








排泄物を食べるミゾレチョウチョウウオ
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クリーニング目的でイソギンチャクのそばに来る魚は約8割で、イソギンチャクの排泄物や触手そのものを食べに来るのが約2割になる。触手を食べるのは、チョウチョウウオやニセフウライチョウチョウウオが知られている。