「錦」には、豪華な絹織物とか美しくて立派などという意味がある。キンチャクダイ科のニシキヤッコは、その名にふさわしい体色をしている。
ニシキヤッコのペア(慶良間)
全長約5cmの幼魚(慶良間)
幼魚の生息場所は崖のようになった岩陰で、小さなうちは隙間からあまり出ない。体色はオレンジがかっていて、背ビレに目玉模様がある。成長するにしたがって目玉模様は薄くなり、やがて消える。行動範囲も広がる。
変わった模様の個体(メナド)
ニシキヤッコの体側の模様が、ちょっと違う個体もたまに見られる。以前、インドネシアのメナドで出会ったニシキヤッコは、かなり変わった模様だった。突然変異だろうか。
インド洋の個体(アンダマン海)
あまり知られていないことだが、太平洋のニシキヤッコとインド洋・紅海のそれとでは、体色に少し違いがある。太平洋のほうが複雑な色合いで、顔もグレーの部分が多い。一方インド洋・紅海のものは明るい感じで、顔のグレーも少ない。
じゃれ合っていた個体(奄美)
ペアで追いかけ合ったりじゃれ合っていることがあるが、その場合に顔が黒ずむ。特に片方のオスと思われる個体がより黒くなる。おそらく婚姻色なのであろう。繁殖生態はたぶん解明されていないと思うので、ぜひ見たいものだ。