大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

サンゴの寿命

サンゴの寿命はどのくらいなのだろうか。種や生息環境によっても異なるだろうが、おそらく数十年、数百年という単位だと思うので、詳しいデータはないに違いない。


通常のコモンシコロサンゴ。大きさは23m                                           

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なぜこのようなことを思ったかというと、大好きなポイントのサンゴが終焉を迎えていたからだ。そのサンゴとは、コモンシコロサンゴ。表面の形がユニークなうえ、かなり大きな群体になるので魚類が多く集まる。









様子が一変「ブツブツサンゴ」('16.10)                                          

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座間味・嘉比島にある「ブツブツサンゴ」という名のポイントは潮当たりがよく、たくさんの魚類が集まってくる。水深約7mから約24mまでの斜面にコモンシコロサンゴの大群落があり、サンゴの表面の形からポイント名になった。今年10月に潜ったらほとんどが死滅していて、寿命が来たのだと感じた。ところどころ他の種類のサンゴが覆い始めていた。






崩れているサンゴ('16.10

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コモンシコロサンゴは、円柱状のサンゴが束になっている状態なのだが、横から見るとバラバラに崩れていた。











状態が良かったころ('80年代後半)
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上げ潮のときは流1れが強くなるため、引き潮のときしか入れない。サンゴの周りにはスズメダイ類などが群れ、時折チョウチョウウオ類やグルクンなどがやって来る。ハナゴイやウメイロモドキを撮ったときのことを今でも覚えている。








カラフルなリュウキュウイソバナ('91年)                                         

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「ブツブツサンゴ」は座間味に通い始めた40年前からあり、当時から人気のポイントだった。浅いほうにはイソバナ類もあった。オニヒトデは嫌いなサンゴのようで、食害にも遭わなかった。









崩れ始めたのはずいぶん前('08年)
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このサンゴが傷み始めたのは最近ではない。10年くらい前から徐々にだった。訪れるダイバーが多いため、フィンで蹴ったり砂の巻き上げの影響もあるに違いない。イソバナ類がなくなったのは、いうまでもなくダイバーやボートによるものだ。こうした人為的な影響もあって、寿命が早まったと考えるのが妥当ではないだろうか。