大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

コバンザメの謎

コバンザメはスズキ目コバンザメ科。以前はコバンザメ目だったが、現在はスズキ目に含まれる。それはともかく、サメとは分類的にかなり離れているにもかかわらずこの名が付いているのは、体型が似ているからだろうか。


ナポレオンフィッシュに付くコバンザメ

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コバンザメはマンタやジンベエザメナポレオンフィッシュ、ウミガメなど大型の魚類についていることが多い。











ナンヨウブダイに付く幼魚
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コバンザメは幼魚のころから他の魚に付く習性を身につけているようで、小さな個体がブダイ類やフグ類、ハタ類などに付いているのを観察したことがある。










ダイバーに付こうとしている
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何にも付かずに遊泳していることもある。そういう場合はダイバーの周辺を徘徊し、スキがあれば付こうとする。タンクに付いているのを見たこともある。










アオウミガメに付く
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ウミガメにもよく付いている。付くのはたいていアオウミガメだ。ウミガメに付いているコバンザメは、どういう訳か体色が黄色っぽいものが多い。










繁殖のためか。群れるコバンザメ
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図鑑にはコバンザメの産卵期は58月とある。調べたら'74年に大分の水族館が産卵・孵化・仔魚の育成に成功したとか。おそらく海での観察はまだだろう。10月ごろ奄美の内湾にコバンザメが群れでいることが確認されている。その中にお腹が大きい個体もいることから、産卵のために集まっているに違いない。ぜひ産卵を観察したいものだ。