大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ニジハギの生態

サンゴ礁域に生息する魚類は、体色・斑紋がきれいで目立つものが多い。例外もあるが、縄張りを主張するためのようだ。


色鮮やかなニジハギ(コモド)                                            
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ニジハギもきれいな体色・斑紋でよく目立つ。藻食性で、浅いところに単独で縄張りを持つ。











追いかけ合うニジハギ(西表)
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ニジハギを初めて見たのは西表島で、'81年のこと。ニジハギの行動を見て、体色がよく変化することを知った。特に尾ビレで、黒っぽい部分が白くなるのを不思議に思って観察続けていると、追われる個体が白くなるので「降参」を意味すると思った。しかし時折追いかけているほうも白くなる場合があるので、興奮状態のときに変化するのかもしれない。





5尾も画面に入るのは珍しい(慶良間)
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ニジハギは藻食性ということもあって、リーフの浅瀬に生息している。同種あるいは同じ藻食性の魚が来ると追い払う。したがって、数尾のニジハギが集まることはない。ところがあるとき、56尾のニジハギが集まってきて小競り合いを始めた。みんな興奮していて尾ビレが白い。しばらく小競り合いが続いた後、何ごともなかったように平常に戻った。





通常は撮れないアングル(コモド)
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インドネシアのコモド諸島は、リーフの浅瀬がほとんどないため、ニジハギは起伏のある比較的浅いところを行動している。平坦なところだと近づくのは難しく、接近しての撮影は困難だが、コモドではニジハギの通り道を把握して岩陰で待っていればわりあい簡単に撮れる。







深みでの縄張り争い(コモド)
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コモド諸島ならでは、ということがあった。水深10m付近を潜っているときに、突然ニジハギが目の前に現れた。縄張り争いだったようで、追い掛けるのに夢中になってしまい、ふだんよりさらに深みに来たらしい。