大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

黒潮実感センター・神田氏のこと

611柏島で開催されたウミノフォトフェス2016で、「海辺のおさかなセミナー」の司会進行を務めた神田優(かんだまさる)氏。海が大好きなオジサンにしか見えないが、実はすごい人なのだ。


海辺のおさかなセミナーの様子   

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NPO法人 黒潮実感センター代表でもある神田氏は'66年高知生まれで、高知大学を卒業すると東京大学大学院に進学、海洋研究所に在籍して魚類生態学の博士号を取得。学生時代ダイビングで訪れた柏島がたいへん気に入り、いずれ移住して何かをしたいと考えていたという。








黒潮実感センター入口にある看板                                              

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'98柏島に移住し、廃校予定の中学校にNPO法人黒潮実感センターをつくったのが'02年。島をまるごとミュージアムというコンセプトで、海の自然と島の人たちの共存をめざす活動をしている。「里海」という言葉を初めて使った人ともいわれている。







 
神田氏。NHK高知放送「くまのカフェ」より                                           

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里海とは、人が海から恵みを受ける代わりに海を守り、互いに共存できる場所のことで、持続可能な里海をめざすため、センターは①自然を実感できる取り組み ②自然とくらしを守る取り組み ③自然を活かすくらしづくりなどの活動を行っている。その他にも海洋生物の調査・研究、自然観察会なども。




間伐材を活用したアオリイカの産卵床

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幾多の業績の中で最も有名なのがアオリイカの産卵床だ。移住した当時は、漁業関係者とダイビング業者は対立状態。そこで神田氏は対話の場をつくり、互いに歩み寄るように。そして間伐材を利用し、地元の子供たち、ダイバー、漁業者が協力し合ってアオリイカの産卵床を海底に設置した。そのお陰でアオリイカは数を増やし、ダイバーがたくさん訪れるようになり、漁獲高も増加したという。





'87年ごろ座間味島での神田氏                                                            

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神田氏は学生時代ダイビングガイドのバイトをしていた。座間味島でもしていて、そのとき一緒に潜っている。約30年前のことだ。その後も'92年ごろに柏島でも出会っている。大月町のダイイビングサービスを手伝っていたらしい。
ダイビングガイドから一転してNPO法人を立ち上げて活動に励んでいるのだから、その情熱は大したものである。