大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

クマノミ類の黒化現象(3)

オーストラリアのグレートバリアリーフGBR)からニューカレドニアにかけて分布するのが、バリアリーフアネモネフィッシュ。共生するイソギンチャクは約5種類とされる。


バリアリーフアネモネフィッシュ(GBR
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これはタマイタダキイソギンチャクかサンゴイソギンチャクで、どのイソギンチャクに住んでもあまり大きな変化はない。










バリアリーフアネモネフィッシュ
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ニューカレドニアでもバリアリーフアネモネフィッシュは多い。これはアラビアハタゴイソギンチャクに住む個体。腹・尻ビレがやや黒っぽくなる程度で、ほとんど変わらない。










イボハタゴとモーリシャンアネモネ
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インド洋のモーリシャスには固有種のモーリシャンアネモネフィッシュがいる。共生相手のイソギンチャクはセンジュイソギンチャク、イボハタゴイソギンチャク、アラビアハタゴイソギンチャク(と思われる)の3種類だった。








尻ビレが黄色い個体は少ない
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撮影のときは無意識だったが、後日写真を見たらモーリシャンアネモネフィッシュは胸・腹ビレ、胸部が黄色いタイプが最も多いことがわかった。それに加えて顔や尻ビレも黄色いタイプの2タイプ見られたが、イソギンチャクとの因果は認められなかった。この写真はアラビアハタゴと思われるイソギンチャク(画面中央下の岩の側面)に住んでいた。白枠内は左の個体のアップ。

 



センジュイソギンチャクに住む
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センジュイソギンチャクに住む個体は、黄色い部分が多いものもいたが、そうでないものもいた。総じて若い個体ほど黄色い部分が多いようだ。



 





オレンジフィンアネモネパラオ)                                                              
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触手が短いイソギンチャクに住んでいても、まったく変わらないのがオレンジフィンアネモネフィッシュだった。ミクロネシアパプアニューギニアGBR、フィジータヒチなどに分布する。尾ビレが白いタイプと黄色いタイプは地域変異とのこと。
こうしてみると、触手の短いイソギンチャクに住むと影響を受けるのはクマノミだけだ。やはり生化学では説明できないのだろうか。