大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

分布にまつわる話(ハナヒゲウツボ編)

ハナヒゲウツボの分布は、奄美大島以南、西部太平洋。昔も今もほぼ同じ。初めて見たのは慶良間諸島座間味島で、'70年代終りごろ。その後何度も撮影し、'80年代終りごろに触れる個体が現れた。


触れるハナヒゲウツボ'88年、座間味)

イメージ 1

現地ガイドが餌づけして慣らしたのだろう。触ると気持ちよさそうな表情をした。1年くらいいただろうか。その後姿を消した。











巣穴から出たハナヒゲウツボ99年、奄美                                         

イメージ 2

奄美大島もハナヒゲウツボは多い。ただ巣穴を頻繁に替えるようで、神出鬼没なのだ。夜行性で、夕方巣穴を出て戻るときに良い巣穴があれば引っ越すのだろう。巣穴から出たところは座間味やセブ島で見たが、うまく撮れたのは奄美だった。








ニューカレドニアでは近くに2尾いた

イメージ 3

海外ではフィリピン・セブ島、マブール、パプアニューギニアニューカレドニアなどで出会い、撮影した。











分布を塗り替えた?(柏島
イメージ 4

柏島には成魚はいないと思っていたが、'09年に潜ったとき幼魚と成魚の両方見られた。












ハナヒゲウツボの楽園(モーリシャス)                                            

イメージ 5

'04年インド洋のモーリシャスに行ったとき、まさかのハナヒゲウツボに出会った。インド洋には分布していないと思っていただけに、その驚きは衝撃的だった。しかも4日間8本のダイビングで8個体のハナヒゲウツボを見たうえ、その内の1尾は巣穴から出て移動していたのだからすごい。

ではどうして分布に入っていないのか。おそらく魚類研究者が潜っていないからだろう。