大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

分布にまつわる話(コクテンカタギ編)

コクテンカタギの分布は『日本産魚類大図鑑』('84年、東海大学出版会)では、相模湾以南の西部太平洋。'97年発刊の『日本の海水魚』(山と渓谷社)では、中部日本以南、台湾、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア南部の西部太平洋になった。


コクテンカタギ(バリ)
イメージ 1
コクテンカタギを初めて見たのは、慶良間諸島の沖合いにある隠れ根。水深30m付近にカスミチョウチョウウオのように群がっていた。その後も何度か撮影したが、フィルムは残っていない。色あせたので処分したらしい。ちなみに、小笠原でも隠れ根に群れているという。







コクテンカタギの幼魚(富戸)
イメージ 2
伊豆半島では時折幼魚が出現する。背ビレの後方に黒斑があるのが幼魚の特徴で、成長とともに薄れてそのうち消失する。










コクテンカタギの未成魚(柏島
イメージ 3
柏島でも何度か出会っているが、群がりではない。大抵は単独。この個体は背ビレに薄ら黒斑があるので未成魚だ。










ペアでいたコクテンカタギ(ソロール諸島)
イメージ 4
インドネシアのコモド諸島やソロール諸島でも出会ったことがある。水深はそれほど深くない。どちらも15mくらいだった。

 








クリーニングに集まる(ロードハウ島)                                                                 
イメージ 5
オーストラリア・ブリスベンから東に約700km沖にある絶海の孤島ロードハウ島。ここ固有のクマノミ類を撮りに行ったのだが、なんとコクテンカタギがいたのでビックリした。それも比較的浅いところで、ムスメベラ(?)のクリーニングを受けていた。確かに分布に入っているが、そのときは把握していなかったので、感動したのだった。