大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

分布にまつわる話(ツキチョウ編)

ツキチョウチョウウオを初めて見たのは柏島で、'92年のとき。警戒心が強く、近寄るのが大変だった。『日本の海水魚』(山と渓谷社)には伊豆、高知県、台湾、フィリピン、タイに分布とある。


ツキチョウチョウウオ'92年、柏島
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また、海外の図鑑に載っているツキチョウチョウウオの分布図は、南日本から中国沿岸を通ってシャム湾まで続いている。









クロオビマツカサと('97年、水納島
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'97年に沖縄の水納島でツキチョウチョウウオに出会った。行動範囲は広いものの、決まった岩穴に戻って来ていたので、わりあい撮りやすかった。








ワイドレンズで('01年、八丈島                                                           
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あるとき、八丈島にも生息していることがわかった。遠くにその姿を発見したからだが、行ってみるといない。後で知ったのは、危険を察知すると素早く岩穴に隠れる性質があるということだった。その後駆け引きをしながら撮影することができた。






体色と体型は月のイメージ('11年、奄美
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奄美にもときどき出現する。多くは外海に面したポイントだ。やはり警戒心は強いが、先回りしてなんとか撮れた。










群れることがある('06年、タオ島
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タイのタオ島にはツキチョウチョウウオがたくさん生息している。ペアでいることがほとんどで、のんびりしていて警戒心もない。それだけでなく、群れることがあるという。何度目かに行ったときに運よく群れた。数組のペアが何かをきっかけに集まり、群れになるのだが、勢いよく泳ぎ出す。追いかけて接近したら、ばらけてしまった。いつか大群を撮りたいものだ。