アカネキンチャクダイは、日本で見られるキヘリキンチャクダイと似ているが、エラブタの下(喉のあたり)が黒くないものをアカネキンチャクダイとしているようだ。
体のどこかに青い模様が入っていることもあり、とにかく体色や斑紋に変異が多い。
青い模様が入ったタイプが、キンチャクダイと行動していた。これはオヤビッチャの卵を食べているところ。
青い模様が多いタイプ('98年、西海)
アカネキンチャクダイは当初、柏島でしか見たことがなかったが、宇和海海中公園の取材で愛媛県・西海で潜ったとき、数個体見かけた。
海外の図鑑より。命名者の名もある
アカネキンチャクダイの体色・斑紋は一定でないこと、ペアの目撃例がないことなどから交雑種との説が以前からあった。組合わせはキンチャクダイとキヘリキンチャクダイ、キンチャクダイとフィリピンに分布するブルースポテッドエンゼルフィッシュ(ホシゾラヤッコ)の二通り。ブルースポテッドエンゼルフィッシュは1976年に日本の学者がフィリピンで採集した個体を基に新種記載し、和名まで付けた。
その後の研究で、アカネキンチャクダイはキンチャクダイとキヘリキンチャクダイの交雑種であると、'03年日本魚類学会に於いて発表された。しかし、アカネキンチャクダイの多くは尾ビレが黄色いことから、一方がホシゾラヤッコの可能性もあるのではないだろうか。