交雑種、雑種のこと。陸上の動物ではあまり見られないが、海の魚では比較的多い。陸上動物のほとんどは体内受精なのに対し、海水魚は体外受精が大半。こうしたこともハイブリッドが生じやすい要因だろう。
オウギチョウとハクテンカタギ
とはいえ、より近縁でなければハイブリッドはできない。多く見られるのはチョウチョウウオ類とヤッコ類。分布の中心から離れて単独でいるケースが多いようだ。ハイブリッドは、両親の特徴が半々に現れる傾向があるという。
両親はカガミとアミメ
カガミチョウとアミメチョウのハイブリッドもよく見られる。また、この両種がペアになっているケースも奄美では比較的多い。
アミメチョウの代わりに、ベニオチョウの場合もあるようだ。
チョウハンとツキチョウ
この個体を見たとき、両親はチョウハンとチョウチョウウオかと思った。後日この写真をハワイの魚類学者にお見せする機会があり、チョウハンとツキチョウチョウウオのハイブリッドとのこと。
コガネヤッコとナメラヤッコ
ヤッコ類(キンチャクダイ類)では、コガネヤッコとナメラヤッコのハイブリッドが圧倒的に多い。コガネヤッコは南太平洋が分布の中心で、そこからはずれると繁殖相手が著しく少なくなるからだろう。
タカノハダイとミギマキ
'01年八丈島で変なタカノハダイを見つけた。縞模様はタカノハダイなのだが、色合いが少し違う。また尾ビレには水玉模様がなく、ミギマキのそれにそっくり。両種の特徴が出ているので、ハイブリッドだと直感した。その後、「伊豆海洋公園通信」で、この個体が取り上げられ、ハイブリッドであることが証明された。