大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

春告魚

四季がある日本には、季節の移り変わりを表す味わい深い言葉が多い。春告魚(はるつげうお)もそのひとつ。文字どおり春を告げる魚のこと。春先によく捕れる旬の魚のことをいい、地方によって異なる。


メバル                                           

イメージ 1

北海道ではニシンを指すようだが、沖合を回遊するのでダイビングでは見られない。
関東地方ではメバルを春告魚という。メバル卵胎生で、冬から春にかけて約4mmの仔魚を出産する。










イメージ 2

サヨリも関東では春告魚といわれている。春から夏にかけてが産卵期で、沿岸の藻場で産卵する。











婚姻色になったアイナメのオス
イメージ 3

アイナメは冷水系の魚で、冬に繁殖期を迎える。春告魚とはあまりいわれないが、関東では春が旬とされている。繁殖期のオスは黄色くなる。










ヨコシマサワラ
イメージ 4

中部、近畿方面の春告魚はサワラ。何しろ漢字で「鰆」と書くくらいだ。しかしサワラも沖合を回遊するので出会えない。比較的出会えるのが近縁種のヨコシマサワラだ。通常は単独で行動しているが、小さな群れになることもある。