大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ダルマガレイ科の日本初記録種

先日、魚類研究者の片山英里さんからメールをいただいた。片山さんは国立科学博物館・動物研究部の研究員で、昨年5月にミステリーサークルをつくるフグの調査で奄美に同行したことで知り合いになった。


ミステリーサークルと調査団
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ベラギンポ科とダルマガレイ科が専門なので、以前に慶良間や奄美で撮影した、謎のベラギンポの写真を見ていただいたら未記載種ということだった。









釣りでも標本採集
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奄美ではフグの調査と共に国立科学博物館鹿児島大学共同のプロジェクトで奄美の魚類相調査も兼ねていたため、フグ以外の魚や研究者それぞれの専門の魚の調査・採集も行っていた。









日本初記録の論文の一部
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メールには論文が添付されていて、そのときに採集したダルマガレイ科セイテンビラメ属の一種を日本初記録として報告したものだった。標準和名「オオシャクダルマ」を提唱している。









辞書に載っていた図
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「オオシャク」の意味を片山さんにお聞きしたら「大きな笏(しゃく)」のことで、長く伸びた1本目の鰭条の形が昔の官位ある人が持つ笏に似ているから付けたとか。「笏」がどんなものか辞書を見たら図があった。平安時代以降、位が高い人が正装のときに持つもので、現在でも天皇陛下が儀式のときには持つらしい。お若いのにずいぶん古風なものを由来にしているなと思ったら、共著者の案らしい。












オオシャクダルマ(奄美
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オオシャクダルマに似たカレイは奄美で撮影したことがあるので、ストックを調べてみた。
'9811月に撮影していたが、そのときはセイテンビラメだと思っていた。片山さんによると、これまでセイテンビラメと混同されていた可能性が高いとのことだった。今はベラギンポの論文作成中とのことで、楽しみにしている。