大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

勝浦が涼しいワケ 

8月16日、東京都心の気温は午前中に35℃を超えた。これで東京の今年の猛暑日は16日となり、最多記録を更新した。一方、涼しい街として注目されているのが千葉県の勝浦。100年間猛暑日ゼロということで、各テレビ局のワイドショーで取り上げられている。 

日本テレビ 8/17の「スッキリ!」より

 

涼しい理由は、勝浦沖が急に深くなっているため、黒潮の影響もあって深海の冷たい水が表層に沸き上がり、海風が冷気を陸に運ぶかららしい。 

涼しくなるメカニズム「スッキリ!」より 

 

千葉県立中央博物館分館 海の博物館・研究員の川瀬裕司氏が「海の生きもの観察ノート16 千葉県勝浦沖 キンメ場の魚」を著し、6月に送ってくれた。勝浦沖はキンメダイのよい漁場で、地元ではキンメ場と呼ばれている。観察ノートには漁場付近の海底地形や水深も記されている。魚場は水深500m前後で、外側は1000~2000mもある。立縄釣りという漁法でキンメダイを釣るわけだが、他の深海魚も混獲される。そのような未利用魚を博物館に提供してもらい、標本にしているとか。観察ノートには、深海性の見慣れぬ魚が30種掲載されていた。 

「千葉県勝浦沖 キンメ場の魚」表紙と中のページ 

 

勝浦市には勝浦海中公園・海中展望台もある。また、海岸線はダイナミックで、景勝地になっている。特に鵜原理想郷は人気がある。 

勝浦市も過疎化が進んでいるため、移住者を呼び込もうと力を注いでいる。その一環として涼しさをアピールしたポスターを作ったらしい。確かに「猛暑日ゼロ」は魅力だ。 

勝浦にある景勝地鵜原理想郷