大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

今年も静かなブーム・ミステリーサークル

元日早々「劇場版 ダーウィンが来た!」がNHK総合で放送された。これまで取材された中から選りすぐりの動物の映像が数々登場。アマミホシゾラフグがつくるミステリーサークルも取り上げられた。

劇場版 ダーウィンが来た! 右はミステリーサークル

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最後にスタッフのクレジットが流れたが、一緒に取材したことがあるNHK潜水取材班のカメラマンが17名、NHK以外の知り合いのカメラマン8名出ていた。ちなみに、ぼくの名も入れてくれていた。

貝殻をくわえたアマミホシゾラフグとクレジット

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昨年5月、ミステリーサークルの写真を本に使いたいと、カナダから連絡があった。条件を了承してくれたのでメールに添付。しばらくしてフグを発見したときの状況と顔写真も要求された。本は10月ごろ完成予定と知らされていたが、11月になっても来なかった。そして年が明けて届いた。265ページもあり、想像していたよりもかなり立派な本だった。

Being CONNECTED』の表紙と裏表紙

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アマミホシゾラフグ発見時の状況は光栄なことに、イントロダクションの冒頭に使われていた。ただ、水深が260ft80m)になっている。26mと伝えたはずだが、手違いがあったようだ。また、顔写真も大きく掲載されていた。動物学者のデイビット・アッテンボローも掲載されていたが、それより3倍も大きいので恐縮している。本の中でミステリーサークルは、フグがつくった曼陀羅のようだと書かれている。

この本は生命のつながりがテーマ。自然の神秘、生物の進化などを取り上げながら、地球に住むすべての生きものがかかわり合っていること、そして人間の活動によって疲弊している地球を救おうというメッセージが込められていると思う。文章は理解できないが、写真やイラストでなんとなくわかった。文句なく素晴らしい本だ。

顔写真とミステリーサークルのページ

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まだ完成していないが、令和4年度から愛媛県宇和島水産高校の教科書にもミステリーサークル&アマミホシゾラフグの写真が使われる。宇和島水産高校といえば、21年前にハワイで実習船「えひめ丸」がアメリ原子力潜水艦に衝突されて沈没。生徒ら9名が亡くなっている。今回の教科書とこの事件とはもちろん関係ないが、なぜ宇和島水産高校の教科書にミステリーサークル&アマミホシゾラフグの写真が使われるのかは、知らない。

教科書に使用予定の写真

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イギリスのテレビ放送局BBCが「知能の高い生物たちとその生態・行動」をテーマに、番組を制作。20222023年の2年にわたって世界各地を取材予定。その中でミステリーサークル&アマミホシゾラフグも入れたいとのこと。BBCが取材に来れば、2013年以来で2度目になる。新型コロナの感染拡大が懸念されているので、終息が条件だが。

というわけで、ミステリーサークル&アマミホシゾラフグは、今年もひっそりとブームを巻き起こす。

BBCクルーの取材の様子。写真集『LIFE STORY』(BBC BOOKS)より

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