大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

カンモンハタの生態

ハタ科のカンモンハタは、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布し、主にサンゴ礁域で見られる。大型になるハタ類の中で本種は、全長約30cmにしかならない小型種。茶色い不規則な多角形の斑紋が全身に入っていて、その斑紋が横や斜めに二つ三つ連なる傾向があるのが特徴。食用魚としても人気がある。

カンモンハタの顔(奄美

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体色を変えることがよくある。特にクリー二ングを受けているときは部分的に白っぽくなる。

ソメワケベラにクリーニングされる(奄美

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夜になる体色はさらに変化する。海底に溶け込むようになり、もはや何ハタかもわからない状態だ。

夜のカンモンハタ(奄美

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本種の繁殖期は初夏から夏で、この時季になると腹部が膨らんだメスがあちこちに現れる。それを見つけたオスはメスの目の前に接近し、求愛をする。こうしたじゃれ合うような求愛が幾度も繰り返される。産卵は日没後に行われると思われるが、観察するのは難しい。

腹部が膨れたメスに求愛するオス(奄美

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