超ビックリニュースが飛び込んできた。ダイビング雑誌の『マリンダイビング』や「マリンダイビングフェア」でおなじみの(株)水中造形センターが破産したという。当センターは、1958年に水中写真家・舘石昭氏(故人)が設立したプロダクションで、1969年に『マリンダイビング』を創刊した。創刊53年で終止符を打つことになった理由は、昨今のデジタル化による発行部数の低迷や、コロナ禍によるマリンダイビングフェアの度重なる延期などが挙げられる。数年前、自社ビルから移転する知らせを受けたが、変だなと思っていた。そのころから経営が悪化していたようだ。
水中造形センター破産のネットニュース
マリンダイビング(以下MD)とのお付き合いは72年ごろ。水中写真コンテストに入賞したのがきっかけ。その後上位に入賞した際、魚の写真でグラフを組んでくれた。また、魚の観察記録のコラムの連載もさせていただいた。まだアマチュアの時代だ。
マリンダイビング創刊号と創刊50年目の記念号
プロになってからも慶良間特集や伊豆諸島特集、フィッシュウォッチング関連の記事や写真を多く載せていただいた。
フィッシュウォッチングのページ(85年7月号)
この他にもさまざまな魚に関する企画を提案したり、相談されたりしていろいろなページをつくり上げた。
超能力の魚を取り上げたページ(86年10号)
88年に水中写真専門誌『マリンフォト』(以下MP)が創刊したが、その際には編集委員をさせていただき、いろいろな企画を提案し、取り入れていただいた覚えがある。写真展の作品をページで紹介していただいたことも何度かある。また、「大方洋二のネイチャー流被写体のとらえ方」という連載も企画していただいた。好きな被写体をいろいろなレンズを使ってメリハリをつけ、特長をとらえるという、自分が体験してきたことをわかりやすく書くという、とても楽しい連載だった。当センターは、日本水中写真学校も設立し、水中写真を始める人や初心者の技術向上を計った。その講師にもさせていただいた。
MDやMPは、単なる仕事というだけではなく、たくさんの編集スタッフの方々との出会いもあり、いろいろな意味で成長を手助けしていただいたといってもいい。ダイビング雑誌『DIVER』は今年から休刊になっているので、これでダイビング誌はすべて姿を消したことになる。今まで育ててくれた雑誌がなくなるのは残念で寂しい。
マリンフォト、写真展と撮影機材紹介ページ(97年12月号)