大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

懐かしい想い出がテレビで

先日テレビを見て、昔の想い出が二つ蘇った。まずは10/6「チコちゃんに叱られる」。超ド級の「ド」は何?の問いに、解説で登場した白石光氏。実は1980年代中ごろ、一緒に働いたことがあるのだ。 超ド級の「ド」の意味を解説する白石氏(チコちゃんに叱られる…

尾ビレの色の意味(クマノミ編)

スズメダイ科のクマノミは全長約10cmになり、千葉県以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。数種のイソギンチャクを宿主にするが、アラビアハタゴイソギンチャクに住むと体色が黒くなる。通常、イソギンチャクには成熟したオス・メス1組と未成熟魚数…

尾ビレの色の意味(シマタレクチベラ編)

ベラ科のシマタレクチベラは全長約80cmになり、伊豆半島以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。サンゴ礁域のガレ場や転石帯に生息し、40cm前後の個体が多い。海底の砂利などの中に潜む小動物をエサにしているので、砂ごと吸い込んで捕食する。ヒメ…

尾ビレの色の意味(ニジハギ編)

ニザダイ科のニジハギは全長約30cmに達するらしいが、通常は20cmくらいが多い。相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。藻食性で、サンゴ礁域の浅瀬に生息している。縄張りを持ち、同じ食性の魚が来ると追い払う。鮮やかな体色が和名の由来だ。尾…

魚の知能はどのくらい?

賢い動物といえばチンパンジーやイルカで、魚類は知能が低いが定説だった。それに異を唱える研究者が10数年前から現れ、魚類の行動を観察したり実験を行い、優れた知能を持っていることが証明された。その成果はテレビや書籍などで発表されているので、一部…

十五夜にちなんで

きょうは十五夜。旧暦の8月15日が十五夜に当たり、中秋の名月と称される。たまたま今日は満月だが、必ずしもそうではなく、ずれることもあるようだ。それはともかく、十五夜にちなんで「ツキ」が付く魚を取り上げてみよう。 まずはツキチョウチョウウオ。体…

ツユベラとその近縁種について

ベラ科カンムリベラ属のツユベラは、全長約30cmになる。相模湾以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。幼魚は赤い体に白の斑紋があり、観賞魚として人気が高い。成長とともに体色・斑紋は変化するうえ、メスからオスに性転換するため、体色変化は著…

ほぼ日本固有種のハゼ

ハゼ科キヌバリ属のニシキハゼ、リュウグウハゼ、チャガラ、キヌバリの4種は、北海道または青森から九州にかけて分布している。日本固有種と思いきや、朝鮮半島南部にも分布しているため、惜しくも固有種ではない。 ニシキハゼは全長約20cmになり、転石帯な…

敬老の日スペシャル

敬老の日ということで、長寿魚に登場願おう。平たくいえば老成魚だが、厳しい自然の中で長く生き続けることだけでも大変なので、敬意を表したい。 まずはハマクマノミ。幼魚期は白帯が3本あり、成長に伴って尾に近いほうから消える。最後の顔の白帯が消えた…

徳島の海とテンジクザメ

9/17のNHK「さわやか自然百景」は徳島・宍喰の海だった。黒潮の分流の影響でイシサンゴ類も多く、特にシコロサンゴがよく見られる。当然、熱帯系の魚類も多い。 9月17日の「さわやか自然百景」のタイトル また、この海には特徴的なことが知られている。ある…

超珍しいウミタナゴの生態

ウミタナゴ科のウミタナゴは全長約23cm(30cmの記録あり)になり、北海道中部以南九州、朝鮮半島南部、中国沿岸に分布している。藻場や岩礁域、砂地などに単独から数10尾の群れで行動している。以前から体色が若干異なるタイプが存在することが知られていた…

ルリスズメダイの地域変異

スズメダイ科のルリスズメダイは全長約7cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。主な生息場所はサンゴ礁の浅瀬で、九州以北で見られるものは幼魚と思われる。オスは全体が青で、目のところに黒いスジが入っている。ソラスズメダイと混同されるこ…

クロハコフグの生態(その2)

クロハコフグの繁殖期は5月中旬~7月。繁殖期以外は行動自体活発ではないため、ほとんどわかっていない。繁殖期になるとオスはサンゴ礁と砂地の境界付近を縄張りにし、16時過ぎから中層に浮かんでパトロールする。同種のオスの侵入を防ぐためと、縄張り内の…

クロハコフグの生態(その1)

ハコフグ科のクロハコフグは全長約16cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋、インド洋に分布している。主な生息域はサンゴ礁で、九州以北で見られるのは幼魚と思われる。体色はオスとメスで異なり、メスは黒褐色の地に白点が全体にある。とても警戒心が強く、…

関東大震災 100年

きょうで関東大震災発生からちょうど100年。節目の年とあって、各テレビ局では関連番組を放送している。また、当時の少ないデータを最新技術でわかりやすく視覚化する研究も行われている。津波がその1例で、相模湾で発生した津波をシュミレーションした映像…

マンタの食事法

かつて「マンタ」はオニイトマキエイのことだったが、2008年2種に分類され、新たなほうはナンヨウマンタになった。オニイトマキエイは外洋性、ナンヨウマンタは沿岸性とのことで、ダイバーがよく出会うのはナンヨウマンタということになる。2種に分かれたと…

光芒を求めて

背景に光芒(こうぼう)が写っている水中写真が大好きだ。光芒とは、光のすじのこと。地上では、日が傾いたころに雲のすき間から日が射すときに光芒が見えることがあるが、写真に撮るのは難しい。その点、水中では比較的簡単。とはいえ、ただ単にカメラを太…

オトメベラの生態

ベラ科のオトメベラは全長約18cmになり、千葉県以南の太平洋、インド洋に分布している。サンゴ礁が主な生息場所だが、黒潮の影響が強い温帯域では成魚も多く見られる。幼魚は茶色で、背ビレと尾柄部に黒の斑点がある。 オトメベラの成魚と白枠内は約3cmの幼…

ピースボート40周年記念イベント

NGOピースボートが発足して40年になる。その記念イベントが18日(金)東京国際クルーズターミナルに停泊中のパシフィック・ワールド号内で開催された。 パシフィック・ワールド号(ピースボートHPより) プログラムは船内ツアー、40周年トークイベント、レセ…

ソラスズメダイの生態

スズメダイ科のソラスズメダイは全長約8cmになり、茨城県以南の太平洋、東部インド洋に分布している。サンゴ礁域が本来の生息場所だが、分布を北に広げ、今や温帯域でも普通に見られる。体はきれいな青で尾ビレが黄色、そして尻ビレも淡い黄色だが、地域また…

体色多様なサラサハゼ

ハゼ科のサラサハゼは全長約10cmになり、伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布している。主にサンゴ礁域のガレ場に大抵ペアで生息し、岩などの下に巣穴をもっている。海底から数cm浮かんでゆっくり移動し、たまに海底の砂を口に含む。有機物や小動物を捕ら…

自転車の交通ルールについて

このところ自転車の交通事故が増えているため、自転車も反則金を、という議論が高まっている。確かにそのとおりで、8/8のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でも取り上げていた。そもそも道路交通法では、自転車は軽車両と位置づけ、歩道と車道の区別の…

魚の寝姿いろいろ

昼間活動する魚のほとんどは、夜になると眠りにつく。その寝姿を見ると、種によって特徴があることがわかる。ブダイ類はサンゴや岩陰で眠るが、多くはエラから透明の粘液を出して「寝袋」をつくり、その中で眠る。「寝袋」は主に寄生虫よけと考えられている…

今森光彦写真展

六本木ミッドタウンにある、富士フイルムフォトサロン東京に於いて「今森光彦の地球昆虫紀行」が開催されている。この写真展は、『ファーブル昆虫記』のファーブル生誕200年記念として企画された。 今森光彦の地球昆虫紀行の案内状 今森氏とは、世代が近いこ…

地球沸騰化‼

先月下旬、国連のグテーレス事務総長が、「地球温暖化から地球沸騰化に突入した」と発言したというニュースが流れた。一瞬、オーバーだと思ったが、世界では最高気温が50℃を超えたり、暑さが原因で山火事が頻繁に発生したり、日本でも危険な暑さが続いている…

クラゲに注意! 

きのうは「土用丑の日」だった。夏の土用はウナギと結びついてよく知られているが、各季節もあるらしい。また、「土用波」という言葉があるが、熱帯海域で発生した台風によるうねりが伝わって、海岸に打ち寄せる大波のこと。昔の人は、土用波と一緒にクラゲ…

第46回隅田川花火大会

4年ぶりに隅田川花火大会が開催されるとあって、両国・蔵前・浅草あたりは準備が進められていた。我が家から第2会場までは近いものの、建物にさえぎられて見ることができない。 第46回隅田川花火大会の看板 4年前もそうだったが、写真展仲間が住んでいるマン…

囚人魚 !?

フィリピン、インドネシア、マレーシアなど熱帯海域で潜ると、ゴンズイのような小魚に出会うことがある。最初に出会ったのは27年前のインドネシア・メナド。群れてはいるものの、ゴンズイほど密集していない。海外の図鑑で調べたら、コンビクトブレニーとわ…

「潜れ!さかなクン」を見て

海の日(7月17日)の夜、NHKで「潜れ!さかなクン 沖縄やんばる特集」が放送された。その中で、日本で見られるクマノミ類6種の紹介もあった。 「潜れ!さかなクン」のタイトル クマノミ類は恩納村で撮影されたようで、卵を世話するトウアカクマノミも出てき…

海の日にちなんで

今日は「海の日」。東京の最高気温は37℃の予想で、連日猛暑が続いている。そこで、これまでたくさんダイビングした5か所の海から涼し気な写真を選んでお届けしよう。まずは第一位の沖縄から。 ハナタカサゴの群れ(座間味) 第二位は奄美大島。奄美の魚類相…