#生物学
ハゼ科のサラサハゼは全長約10cmになり、伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布している。主にサンゴ礁域のガレ場に大抵ペアで生息し、岩などの下に巣穴をもっている。海底から数cm浮かんでゆっくり移動し、たまに海底の砂を口に含む。有機物や小動物を捕ら…
昼間活動する魚のほとんどは、夜になると眠りにつく。その寝姿を見ると、種によって特徴があることがわかる。ブダイ類はサンゴや岩陰で眠るが、多くはエラから透明の粘液を出して「寝袋」をつくり、その中で眠る。「寝袋」は主に寄生虫よけと考えられている…
六本木ミッドタウンにある、富士フイルムフォトサロン東京に於いて「今森光彦の地球昆虫紀行」が開催されている。この写真展は、『ファーブル昆虫記』のファーブル生誕200年記念として企画された。 今森光彦の地球昆虫紀行の案内状 今森氏とは、世代が近いこ…
きのうは「土用丑の日」だった。夏の土用はウナギと結びついてよく知られているが、各季節もあるらしい。また、「土用波」という言葉があるが、熱帯海域で発生した台風によるうねりが伝わって、海岸に打ち寄せる大波のこと。昔の人は、土用波と一緒にクラゲ…
フィリピン、インドネシア、マレーシアなど熱帯海域で潜ると、ゴンズイのような小魚に出会うことがある。最初に出会ったのは27年前のインドネシア・メナド。群れてはいるものの、ゴンズイほど密集していない。海外の図鑑で調べたら、コンビクトブレニーとわ…
海の日(7月17日)の夜、NHKで「潜れ!さかなクン 沖縄やんばる特集」が放送された。その中で、日本で見られるクマノミ類6種の紹介もあった。 「潜れ!さかなクン」のタイトル クマノミ類は恩納村で撮影されたようで、卵を世話するトウアカクマノミも出てき…
今日は「海の日」。東京の最高気温は37℃の予想で、連日猛暑が続いている。そこで、これまでたくさんダイビングした5か所の海から涼し気な写真を選んでお届けしよう。まずは第一位の沖縄から。 ハナタカサゴの群れ(座間味) 第二位は奄美大島。奄美の魚類相…
テレビの画面に行ったところが映ると、なぜかハイテンションになる。今日の「旅サラダ」の海外は、インドネシアのコモド諸島だった。ダイビングで何度も訪れているので、とても懐かしかった。ちなみにコモド諸島のダイブクルーズは6日間の日程。08年から通い…
モンガラカワハギ科は日本に22種分布している。その中で、なかなか出会えないものもいる。生息数が少ないことも要因だが、生息場所にも関連している。外洋に面したわりあい深い場所に住む種は、当然ながらそう簡単には出会えない。このスジナメモンガラは、…
『ナショナルジオグラフィック』7月号の特集記事に「サメを再び海へ」がある。国際的な保護団体がインドネシアのラジャアンパットでサメの調査を行ったところ、特にトラフザメが絶滅の危機に瀕していることが判明。漁業の対象になっているかららしい。そこで…
ハリセンボン科のヒトヅラハリセンボンは、全長約50cmになる。和歌山県以南の西部太平洋、インド洋に分布し、主にサンゴ礁域に生息している。薄茶色の体に褐色の斑紋が目の下や背中などにあるが、それらは白く縁取られているのが特徴。 ヒトヅラハリセンボン…
ベラ科ススキベラ属のホシススキベラは、全長約16cmになり、和歌山県以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。生息数はさほど多くないうえ、成魚は比較的地味なので人気はあまりない。しかし幼魚のある時期はとてもきれいになり、観賞魚として珍重さ…
25日(日)は、サメが集まる海として一躍有名になった伊戸(いと)へ向かった。伊戸ダイビングサービス「BOMMIE」は日曜お客が多いため、山ちゃんがガイドを頼まれたという。この日は70名くらい来ていて、30名乗りのボートが何往復もする。多くのダイバーが1…
今回は5日間で15本潜り、うち14本がミステリーサークルの観察・撮影だった。1本は、他のお客がいたこともあり、嘉鉄のメインのポイントに潜ったが、環境がずいぶん変わっていた。大きな根にいたカクレクマノミがいなくなっていたのだ。以前は2組いたが、1組…
ダイビング最終日、産卵を期待して7時に潜る。サークルへ向かう間、ドキドキだった。果たして…。 筋は消えており、フグが卵の世話をする動作をしていた。ひと安心だ。過去に筋が消えていないことが何度かあったからだ。消えていないと、産卵は翌日に持ち越さ…
アマミホシゾラフグは、大潮にサークルをつくり始めて小潮で完成。翌日産卵して次の大潮でふ化。というのが基本的なサイクル。当然ずれることも多い。特に台風が接近した場合は大幅に狂う。今回は潮に合わせて1週間の日程を組んだ。ダイビング初日、23mの海…
今回利用したダイビングサービスには、海外のテレビ局、水族館や博物館などから、ミステリーサークルの取材や調査の予約が入っている(ナショナルジオグラフィックの取材は数日前に終わった)。そのため、ダイビングポイントから離れた砂地を調査し、複数の…
久しぶりに奄美へ行った。2020年の「ワイルドライフ」のロケ以来なので、3年ぶりだ。台風3号が数日前にフィリピン付近で発生し、どうなるのかとても心配だった。いずれにしても梅雨なので、快晴は期待できない。奄美到着日(6/8)は天気予報でも大雨だった…
テンジクダイ科のネンブツダイは全長約10cmになり、千葉県以南~九州、台湾、朝鮮半島南部、中国南シナ海沿岸に分布している。分布に関しては図鑑によりまちまちなので、後述する。体色は半透明の肌色で、黄色やピンクがうっすら入ってきれい。また、顔に2本…
ずっと前から「擬態」には疑問をもっていた。人間の都合よい解釈のような気がしてならないのだ。例えばシマキンチャクとノコギリハギの関係。有毒のシマキンチャクに似ているお陰で無毒のノコギリハギは恩恵を受けている、という。そもそもシマキンチャクフ…
先日、NHKの番組を制作している、外部の制作プロダクションより連絡があった。6/11(日)午後2時よりNHK BSP、BS4Kで奄美から生中継を行うが、その中で以前放送された番組の一部を二次使用したいので、検討いただきたい、というもの。 生中継の番組は、陸・…
イソギンポ科のフタイロカエルウオは全長約7cmになり、屋久島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。主な生息域はサンゴ礁で、岩肌に付着している藻類が主食。体の前部はグレー、後部は黄色と二色に分かれた体色で、和名の由来でもある。 フタイロ…
タカベ科のタカベは全長約20cmで、房総半島~九州および朝鮮半島南部に分布している。1866年に外国の研究者により新種記載された。主食は動物プランクトンで、外洋を群れで回遊している。青っぽい体色に、背中から尾にかけての黄色い帯が特徴。 タカベの群れ…
カワハギ科のハクセイハギは全長約35cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。サンゴ礁が主な生息場所で、単独かペアで行動している。35cmになるらしいが、通常見られるのは25cmくらいだ。体色は焦げ茶だが、バリエーション豊富で、緑が…
最近、高知県を紹介するテレビ番組で、清流・仁淀川(によどがわ)を「仁淀ブルー」と表現していた。このほかにもケラマブルーとか、積丹ブルーなど聞いたことがあり、密かなブームのようだ。この何とかブルーを知ったのはだいぶ昔で、ダイビング雑誌の「ケ…
魚の群れは、たいてい同種で構成されている。そんな群れの中に、別種が入り込んでいることもある。その目的はさまざまだが、多くは安心・安全のためだ。 これはベンガルフエダイの群れにキンセンフエダイが2尾入っている。両種とも群れる習性があり、生息場…
きのう5月15日は、沖縄本土復帰51年。そこで記念として「オキナワ」「リュウキュウ」が頭に付く魚を集めてみた。「オキナワ」が付くのは10種くらいいるが、ダイビングで会わないものが多いため、「リュウキュウ」も加えた。 まずはオキナワスズメダイ。数が…
ハタ科のサラサハタは全長約60cmになり、相模湾以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。主な生息場所はサンゴ礁で、温帯域で見られるのは幼魚と思われる。サラサハタの最大の特徴は体型と体色・斑紋で、ひと目で本種とわかる。 独特な体型のサラサハ…
ハゼ科カスリハゼ属のカスリハゼは、全長約7cmで千葉県以南の西部太平洋に分布している。内湾の砂泥底の浅瀬に生息し、テッポウエビ類と一緒に暮らしている。1837年に海外で新種記載され、日本で分布が確認されたのは、1960年代後半と思われる。ダイビングに…
ベラ科のクラカケベラは、高知県以南の西部太平洋に分布している。サンゴ礁外縁のやや深いガレ場を行動域にしているが、生息数はそう多くない。体側に黒と白の独特な模様があり、容易に識別できる。全長約18cmになる。 独特な模様のクラカケベラ(奄美) 幼…