大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

愛でタイ

古来、日本人に最も親しまれている魚は、マダイだろう。お祝いやお祭りには必ず尾頭付きが飾られる。「めでたい」という語呂合わせだけではなく、体型や色合い、味もよいことが人気の理由で、魚の王様と形容されることも多い。マダイはタイ科マダイ属で、同…

ネオンテンジクダイについて

テンジクダイ科のネオンテンジクダイは、奄美大島以南の西部太平洋に分布し、主に穏やかな内湾に生息している。全長約4cmで体は透明感があり、吻から尾柄部にかけて黒線がある。そして尾柄部の赤い斑紋が最大の特徴。 ネオンテンジクダイ(奄美 `06年) 本種…

東京スカイツリー10周年

東京スカイツリーが開業して、今日でちょうど10年になる。スカイツリーから1.5キロの距離に住んでいたので、ことあるごとに写真で記録してきた。当初は電波塔ということもあり、体に影響がないか心配していたが、いざ完成するとすっかり忘れていたのだった。…

遠い海の近似種

日本の温帯域に生息する魚を、遠く離れた海外で出会うとなぜかうれしくなる。また、酷似しているが別種という魚にも出会う。きっとルーツは同じで、どのような経緯で別々になったのか興味が尽きない。今回はそのような魚を集めてみた。 オーストラリアのロー…

沖縄本土復帰50年

2022年5月15日、沖縄が復帰してちょうど50年になる。ということで、復帰した年のころに思いを馳せてみたい。ダイバーにとって沖縄の海は憧れなので、日本に返還される3年前(1969年)に一度行っている。 5月13日発売された沖縄復帰50周年記念切手 東京商船大…

クロスズメダイ 未知の生態

スズメダイ科のクロスズメダイは、奄美大島以南の西部太平洋、インド洋に分布する。全長約17cmになり、和名のとおり体色は黒い。正確にいうと、青味ががかった黒だ。やや内湾性で比較的浅いところに生息し、ウミキノコ類のソフトコーラルの近くにいることが…

キヘリモンガラについて

モンガラカワハギ科のキヘリモンガラは全長約60cmに達する。相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。成魚は主にサンゴ礁域に生息し、温帯域で見られるのは幼魚がほとんど。また、60cmの大型個体はなかなか見られない。通常出会うのは40cm前後。 キヘリ…

活動的で繊細なヒレオビウツボ

ウツボ科のヒレオビウツボは全長約50cmになり、高知県以南の太平洋、インド洋に分布している。新種記載されたのは1903年だが、日本では1990年代になって生息が確認されて和名が付いた。体色は紫がかった薄茶色で、体側には暗色の斑紋が入り、目の近くに白く…