大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

うみまーる写真集『となりのウミガメ』

南の島から素敵な写真集が届いた。座間味島で活動している「自然写真家ユニット・うみまーる」の新刊で、『となりのウミガメ』だ。 写真集『となりのウミガメ』 表紙のウミガメは、腕を組んでいて人間っぽい。本文にも載っていて、キャプションは「ふむふむ…

頬に赤帯を持つハナダイ

ハタ科ナガハナダイ属のメラネシアン・アンティアスは全長約9cmで、フィリピンやインドネシア、マレーシア、パプアニューギニアなどに分布している。日本にはいないため、和名はない。英名は前述以外にレッドチークド・バスレットやパシフィックフェアリー・…

アミチョウチョウウオの撮り方

チョウチョウウオ科のアミチョウチョウウオは、全長約15cmほど。相模湾以南の西部太平洋に分布している。だが、主な生息域はサンゴ礁なので、温帯域で見られるのは幼魚と思われる。黄色い体に網目模様があり、これが和名の由来。ただし「アミメチョウチョウ…

頑張る海のお父さん

6/20 は「父の日」ということで、海の中で頑張るお父さんの巻。 海の魚の産卵は ① 水中に産みっぱなし ② 岩などに産み付ける ③ その他の三つに大別できる。③のその他とは、タツノオトシゴやヨウジウオのように、オスの腹部に産卵する方法。また、テンジクダ…

ヒトスジタマガシラについて

イトヨリダイ科のヒトスジタマガシラは、全長約40cmに達する。琉球列島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。サンゴ礁域に単独か少数の群れで行動しているらしいが、群れは見たことがない。体側に褐色の帯のような斑紋があるのが特徴。 ヒトスジタ…

朝ドラ「おかえりモネ」が伝えたいこと

現在放送中のNHK朝ドラ「おかえりモネ」。宮城県気仙沼の離島で生まれ育ったモネ。高校卒業後、森林組合に勤めながらしだいに気象の世界にひかれ、気象予報士を目指し成長する姿を描く物語。カキの養殖業をしている祖父が「森と海はつながっている」とモネに…

ニューカレドニアの想い出(その2)

その後、ピースボートには2回(シンガポール~イギリス、タヒチ~東京)乗船し、4回目が2000年9月の「南十字星クルーズ」。ぼくはブリスベンからニュージーランドを巡り、10/1にニューカレドニアで下船した。事前にフランス人経営の「アメデダイビングクラブ…

ニューカレドニアの想い出(その1)

ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに「いつか訪れたい旅先」シリーズがあり、今回はニューカレドニアだった。フランス領ニューカレドニアは、奇跡の出会いなど想い出がたくさんある。パラオに次いで2回目の海外がニューカレドニアで、1974年5月の…

ヒフキアイゴ 黒い斑紋の意味?

アイゴ科のヒフキアイゴは全長約25cmで、琉球列島やフィリピンなどに分布している。サンゴ礁域をペアで行動していることが多い。口は突き出ていて、目を通る黒い帯があり、黄色の体側には黒い斑紋が入っている。その斑紋はそれぞれ異なり、同じものはない。 …

フエヤッコダイはイソバナ好き!

チョウチョウウオ科のフエヤッコダイは全長約15cmになり、相模湾以南の太平洋、インド洋に広く分布している。成魚が普通に見られるのは奄美以南のサンゴ礁域になる。体色は黄色で、吻が細長いことが特徴。 リュウキュウイソバナとフエヤッコダイのペア 沖縄…

シロボシアカモエビについて

クリーニングシュリンプは日本に約10種いるが、最も希少なのはシロボシアカモエビだろう。脚が白いため、英名ではホワイトソックス、またはスカーレットクリーニングシュリンプという。大きさは4cmほどで、水深20m前後にある根に生息している。穴や隙間など…

養殖モズクの想い出

6月1日のNHK「あさイチ」は、沖縄モズクの特集だった。養殖モズクには、ちょっとした想い出がある。養殖モズクは70年代中ごろに始まり、その後座間味村でも安慶名敷島(あげなしくじま)と阿護の浦で行われた。モズクの養殖は、穏やかな海底に鉄の杭を打ち、…