大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

みんなの被写体・キンメモドキ

キンメモドキの群れは、誰もが魅力的に思える被写体だと思う。ハタンポ科キンメモドキ属のキンメモドキは、ハタンポ属より体高が低いため、近縁とは思えない。全長約7cmで、千葉県以南の太平洋、インド洋に分布している。体の色は幼魚期は半透明だが、成長に…

イソギンチャクの四季折々

奄美大島南部の代表的なダイビングポイントは、嘉鉄(かてつ)。砂地に根がいくつかあり、魚も多い。少し離れた砂地の水深約13mに、マバラシライトイソギンチャクがある。長い触手がカーブしているのが特徴。このイソギンチャクにはクマノミやトウアカクマノ…

10年前の今日

10年前の出来事といえば、何といっても東日本大震災。だが、自分の中ではもう一つある。10年前の5月25日は、ミステリーサークルをつくるフグを発見した記念日なのだ。当日朝、女性スタッフKとお客1名の計3名でボートに乗り出港。予定のポイントは他のボート…

ニセクロスジギンポ・群れランキング

ホンソメワケベラにそっくりなニセクロスジギンポ。擬態種としては完璧といえるが、別種なので当然違いはある。形態面では口の位置や背ビレの形など。行動面では群れることが多いのも相違点。ホンソメワケベラは群れてもせいぜい3~4尾なのに対し、ニセクロ…

バディシステムの優等生・アイゴ

ダイビングでは安全のため、二人一組のバディで行動することが基本。バディシステムという。しかし、被写体探しや撮影に夢中で離れてしまうことも多い。そんなとき、アイゴ類を見て反省させられる。 アイゴ科は世界に29種、日本に12種分布している。全長約25…

ルリホシエイって?

図鑑『move 魚』(講談社)を何気なく見ていて驚いた。ブルースポテッド・スティングレイが「ルリホシエイ」となっていたからだ。基本的に動物や魚などは、日本に分布していないと和名はない。ただし動物園や水族館に展示の場合、学名や英名ではわかりにくい…

ハナダイダマシについて

先日ハナダイギンポを取り上げたので、今度はハナダイダマシ。自分の中ではセットになっている。スズメダイ科のハナダイダマシは、プランクトン食で全長約9cmになる。沖縄以南の太平洋、インド洋に分布している。新種記載は1856年で、日本では80年代初めに西…

NHK「サラメシ」を見たら…

5月13日、NHK昼放送の「サラメシ」(5/11の再放送)。なんと知り合いが出た。東京印書館のプリンティングディレクター・高栁 昇氏だ。印刷業界や写真家の間ではカリスマ的な方で、昨年秋『サンゴ礁の海 生きるための知恵くらべ』(岩崎書店)を制作した際お…

ハナダイギンポの生態は…

イソギンポ科フタイロカエルウオ属は日本に6種分布している。ほとんどは岩を這いながら主に藻類を食べるが、ハナダイギンポだけは遊泳タイプで、プランクトン食。全長約10cmで、沖縄以南の西部太平洋、インド洋に分布している。ハナダイと付いているのは、体…

パープルビューティーについて

以前ハナゴイを取り上げた際、海外に近似種が生息していることを述べた。パープルビューティーで、図鑑(地域)によってはパープルクイーンと呼ぶこともある。フィリピンやインドネシアなどの西部太平洋に分布し、全長は約11cmでハナゴイよりひと回り小さい…

イナセギンポの生態

イナセギンポはイソギンポ科テンクロスジギンポ属で、全長約7cm。相模湾以南の西部太平洋に分布しているが、成魚が普通に見られるのはサンゴ礁域だ。体は灰色と黄色のグラデーションで、口元は赤味を帯びる。遊泳タイプで、サンゴや岩に巣穴を持つ。食性は他…

チョウチョウウオが群れるワケは?

チョウチョウウオ類のほとんどはペアで行動している。ごく一部のチョウチョウウオを除いて。ごく一部とはカスミチョウチョウウオのこと。豊富に流れてくるプランクトンが主食なので、争う必要がない。 プランクトン食のカスミチョウチョウウオ(奄美) 通常…

口元が特徴・ミナミハタタテダイ

チョウチョウウオ科ハタタテダイ属8種のうち、日本では6種見られる。同属は背ビレが旗に似ていることでこの名が付いた。英名もバナーフィッシュで、同じ意味。ミナミハタタテダイはその名が示すようにサンゴ礁域が生息域で、九州以北で見られるのは幼魚。成…