大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コケギンポ科の不思議

「ステイホーム」の模範となるのがコケギンポ類。巣穴から出している顔は可愛く、マクロ撮影定番の被写体だ。コケギンポ類はサンゴ礁域では見た覚えがないので、日本の温帯域に4種くらいしかいないと思っていた。ところが『日本魚類館』(小学館)には、14属…

ピグミーシーホース最新情報

ピグミーシーホースとは、大きさが2cm前後のタツノオトシゴの仲間のこと。サンゴの仲間のヤギ類を宿主にし、カムフラージュが上手な魚の代表ともいえる。 最初に発見されたのは約50年前で Hippocampus bargibantiという学名で1970年に新種記載されたが、ダイ…

雑種いろいろ

前回、異種間ペアを取り上げたので、次は雑種を。雑種とは、異なった種類の雌雄の間に生まれた個体のことで、交雑種あるいはハイブリッドともいう。魚で比較的雑種が多いのは、チョウチョウウオ科とキンチャクダイ科。まずは前回取り上げたペアの子孫(?)から…

なぜ? 異種間ペア

ペアとは、二人で一組になることや、デザインなどに共通点を持った二つの物の一組を指すが、魚の場合は同種の成熟した雌雄の番いのことをいう。ペアで行動しているのはチョウチョウウオ類が多いが、時折別種のペアを見ることもある。異種間ペアといい、これ…

紆余曲折のカモハラトラギス

トラギス類は好奇心が強く、他の魚を撮影していると近寄ってくる。したがって、正面顔が撮りやすい。トラギス科は日本に30種分布している。初めて柏島を訪れた91年、転石帯で見たことがないトラギスを撮影した。図鑑を見ても載っていなかった。見たことがな…

今だからこそ魚の笑顔

「ステイホーム」ということで、テレビやネットでは「おうちで楽しもう!」とか「今だからこそ笑顔で乗り切ろう!」などのコンセプトでつくられた動画が盛り上がりをみせている。そこで、魚の笑顔をお届けしたい。といっても魚は笑わないと思うので、笑って…

特徴ある唇で自己主張

魚の中には、変わった口というか唇をしたものもいる。そんな魚を集めてみた。こちらはイサキ科のチョウチョウコショウダイで、唇が分厚いのが特徴。特に何もしていなくても、自己主張しているように見える。チョウチョウコショウダイ(ラジャアンパット) 受…

色彩変異豊富なルリヤッコ

キンチャクダイ科アブラヤッコ属は、日本に11種分布している。いずれも小型種で、警戒心が強い。大きさは10cm前後。11種の中で最も広く分布しているのはルリヤッコで、西はアフリカ東部(インド洋)から東はタヒチ付近(中部太平洋)まで。日本では奄美大島…

一期一会の魚(その2)

03年にダイビング雑誌の取材で伊豆大島を訪れたとき、ソウシイザリウオに初めて出会った(数年後、イザリウオは差別用語とされ、カエルアンコウに改名)。岩の間にいたので、このようなアングルでしか撮れなかった。ハッキリした縞模様が特徴なのだが、模様…

一期一会の魚(その1)

これまでいろいろな魚に出会って撮影してきた。中にはたった1回というものもいる。そこで、自分にとっての「一期一会の魚」を取り上げてみよう。まずはホシフグ。青森県以南の日本、南シナ海、ニュージーランド、ニューカレドニア、南アフリカ、アルゼンチン…

アマチュア時代のモノクロ写真

写真を始めたのは高校生のとき。兄のカメラにモノクロフィルムを入れ、風景写真を撮り始めた。我が家には暗室があったので、現像や引伸ばしは自分で行った。 1963年(21歳のとき)にニコノスが発売。翌年購入して初のマイカメラに。水中も当初はモノクロで撮…

青く輝くとき

魚は種により、ここぞというときに青く輝くことがある。青色は魚たちにとって、何らかの信号になっているようだ。イシガキカエルウオのオスは、繁殖期に喉のあたりが青くなることがある。メスに対してのアピールと考えられている。喉を青くしてアピールする…

おうちで海気分(海外編)

日本にツバメウオ類はツバメウオ、アカククリ、ミカヅキツバメウオ、ナンヨウツバメウオの4種が分布している。このナンヨウツバメウオは生息数が少ないため、あまり見られない。これほどまでの大群になるのは、紅海だからだろう。ナンヨウツバメウオの群れ(…

おうちで海気分(国内編)

活動自粛が長引くなか、テレビやネットでは「おうちで〇〇」という、自宅でできるバーチャル体験などをたくさん提案している。今ごろは海に行っているはずだったという方も多いと思うので、「おうちで海気分」。クマササハナムロの群れ(座間味) サンゴは触…