大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤッコエイの素顔

奄美や沖縄の砂地でよく出会うのはヤッコエイ。背面に薄い水色の斑点があるのが特徴。海外に分布する「ブルースポテッドスティングレイ」と似ているが、本種は斑点の青がそれほど濃くない。 海底で休むヤッコエイ(座間味) 単独でゆっくり移動していたり、…

サンゴの産卵について

スーパーハイビジョンによる「奄美の海 奇跡のサンゴ礁(仮題)」の取材は、先日ミステリーサークルの撮影を行った。 完成したミステリーサークル 10日間でサークルをつくり始めから完成、産卵、ふ化と一連のシーンが撮影できた。 初めて撮った産卵と論文の…

奄美・ミステリーサークルの撮影

海に行っていると、時の経つのが早い。あっという間に予定の10日が過ぎた。 係留しているボートに向かう 今回のNHKのスーパーハイビジョンによる奄美ロケも、6年前の「ダーウィンが来た!」、5年前のBBC「LIFE STORY」のときと同様、大型ボートをポイントに…

スーパーハイビジョンの奄美ロケ

NHKは、12月1日から開始する超高精細の4K・8K放送について「スーパーハイビジョン」と呼んでいる。放送にあたって取材班は、すでにいろいろなところでロケを行い、番組を制作している。 NHKのHPより 「水中もの」も例外ではなく、この度奄美の海中をスーパー…

日本独特の海中景観

水中写真家デビット・デュビレの写真集『PACIFIC』(美術出版社刊)に、大瀬崎の写真も掲載されている。その中で異彩を放っているのが「ゴロタ石」と「ムチカラマツの群生」の写真で、ひと目で大瀬崎とわかる。 『PACIFIC』表紙と大瀬崎の海中 海外の写真集…

小笠原ゆかりの魚たち(2)

90年代後半に神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能宏氏らが小笠原諸島の魚類相調査を行った。そして日本初記録6種を『伊豆海洋公園通信』(97年2月号)で報告した。 トンプソンチョウチョウウオ(タヒチ) そのときの1種がトンプソンチョウチョウウオ。分布…

小笠原ゆかりの魚たち(1)

小笠原諸島は来月、返還50年を迎える。小笠原へは48年前(連絡船がなかったため)漁船をチャーターして行ったことがあるが、大型の台風に遭ったためにほとんど潜れなかった。したがって写真はない。 ベニオチョウチョウウオ(グアム) そこで、他の海域で撮…

キツネが付く魚

魚の名前には、動物の名を冠したものがある。ワニ、カラス、クモなどだが、一番多いのはキツネ。顔が細長いと「キツネ〇〇」と付ける傾向があるようだ。 キツネベラ(奄美) そこで、ダイビングで出会える「キツネ○○」を取り上げてみたい。 ベラ科のキツネベ…

有毒魚に擬態?コクハンアラの場合

ハタ科のコクハンアラは、幼魚~若魚の間は派手な体色・斑紋をしている。 約14cmのコクハンアラとシマキンチャクフグ その色合いがシマキンチャクフグに似ているため、擬態しているのでは、という説もあり、実際そう記されている図鑑もある。 でも本当だろう…