大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

学名が変わった魚(2)

キホシスズメダイの学名が変わったことは前回述べた。実は'13年に新種記載されてChromis yamakawai Iwatsubo and Motomura 2013という学名が付いたのだ。 キホシスズメダイの大群(座間味) 通常、このようなケースは、外国産との違いがわかってどちらかが新…

学名が変わった魚(1)

魚類学の研究が進むにつれ、より詳しいことがわかってきている。それまで一つの種だったものが二つに分かれたり、誤っていたものが正されたりすることも。 スズメダイ(西伊豆) その結果、学名や和名が変わったり、消滅してしまう種も出てくる。ここ5~6年…

オドリハゼについて

ハゼ科のオドリハゼは、テッポウエビ類と同じ巣穴で暮らす、いわゆる「共生ハゼ」。全長約4cmで、白黒の体色。巣穴の上で胸ビレを振りながらホバリングするしぐさが和名の由来で、英名もダンスシュリンプゴビー。 オドリハゼ(奄美) 新種記載されたのは1960…

カシワハナダイの体色変化

ハタ科ナガハナダイ属のカシワハナダイ。とてもきれいなので、出会うと必ずレンズを向ける。オスは体色をよく変えることでも知られている。 カシワハナダイのオス。通常の体色 特に求愛などのときの婚姻色はいくつかのパターンがあるようだ。 淡いピンクなっ…

海中公園から海域公園へ

最近知ったのだが、海中公園が海域公園に替わった。2010年4月からだそうだ。そもそも海中公園は、国立公園または国定公園の中の海中部分の決められた海域のこと。 串本の海底と海中展望塔('93年) 1970年に串本、天草、玄海など10か所の海中公園が指定され…

相撲コースガイドツアー

大相撲初場所が始まった。国技館では熱戦が繰り広げられているが、相撲観戦ではなく「相撲コースガイドツアー」に参加した。 国技館のやぐらとのぼり 墨田区観光協会主催のツアーで、両国にある相撲に関する施設を巡るというもの。お正月に「隅田川七福神め…

アオウミガメの実状

昔は海の中でウミガメに出会うと、一目散に逃げて行った。おそらく食用のため捕獲されていた歴史があるからだろう。20年くらい前から沖縄では、ウミガメの卵を人工ふ化させて放流するようになった。 アオウミガメ('17年、座間味) そのお陰で今では数が増え…

キヌバリの地域変異

先月、釣りの雑誌『Fishing Cafe』Vol.58(季刊)が届いた。以前ロウニンアジ特集のときに写真を貸してから毎号いただいているが、釣りの記事よりも楽しみなものがある。 「魚の不思議な生態学」のページ 東海大学海洋科学博物館元館長・鈴木克美氏の連載で…

トラウツボの分布について

トラウツボの体色・斑紋は独特で、和風という感じがするので出会うと必ず写真を撮る。図鑑には、トラウツボの分布は南日本(沖縄島以南を除く)、インド・太平洋と書かれている。 トラウツボ(三宅島) 新種記載されたのは1843年(文献によっては1847年)で…

隅田川七福神めぐり

これまで初詣はあまり行ったことはなかった。信仰心があるわけでもないので、混雑を理由にしていた。ところが、どういう心境の変化か、今年は参拝した。それも1ヵ所ではない。 隅田川七福神めぐりの小冊子 墨田区向島にある「隅田川七福神めぐり」をしたのだ…

おめでたい海の生きもの(甲殻類・ウミシダ編)

魚以外の海の生きもので紅白のものは、エビ類に多い。 アカシマシラヒゲエビ クリーニングシュリンプとしてもよく知られるアカシマシラヒゲエビは、真上から見ると紅白だ。 シロボシアカモエビ 岩陰など暗いところに生息するシロボシアカモエビ。このエビも…

おめでたい海の生きもの(魚編)

あけましておめでとうございます。 お正月ということで、おめでたい色、お祝いの色をした生きものを取り上げる。つまり紅白の生きもの。 イロブダイの幼魚 まずは魚編で、イロブダイの幼魚。成長にしたがい赤の部分は黒ずんでくるので、小さいうちが華。 ス…